「keniti3545」since74 小さな窓:2014.7月17日曇り「東日本大震災」「311フクシマ」1305日 今日の一題 『川内原発・審査「適合」』大手紙報道は? 本日号外です
*「東日本大震災」「311フクシマ」1305日
<本日号外です>
*今日の一題 『川内原発・審査「適合」』大手紙報道は?
五大紙(プラス1)社説の色合い 全紙「2014年07月17日付け」
「1」朝日新聞
原発事故が日本の政治と社会全体に投げかけた広範な問いはまだ何も答えられていない。
ところが再稼働をめぐる議論はいつの間にか、原発の性能をめぐる技術論に狭められた。
事故が起きた時の政府や自治体、電力会社の対応や、避難計画のあり方など、総合的な備えはほとんど整っていない。
このままで原発を再び動かそうというのは暴挙である。いまだに収束できない事故から何も学ぼうとしない無責任な態度というほかない。
原子力規制委員会が九州電力の川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)について、新規制基準を満たすとの審査書案を出した。
1年前に新基準ができて初めてのことだ。意見公募など手続きはまだあるが、規制委による審査は実質的にヤマを越えた。
安倍政権は「規制委の専門的な判断にゆだね、安全と認められた原発は再稼働する」と繰り返している。あたかも規制委の審査が原発の安全確保のすべてであるかのように。
現実は違う。あまりに多くの問題点が置き去りにされている。規制委の権限が及ぶ範囲にも、その外側にも、である。
このままでは、原子力規制のあり方を多少改めた以外、ほとんど何も変わらず、日本は原発依存に逆戻りしかねない。ーー以下見出しと要旨のみ
■世界一と誇張するな
安倍政権はエネルギー基本計画で、新基準を「世界で最も厳しい水準」と明記した。
閣僚や自民党幹部もたびたび「世界一厳しい新基準で安全確認できたら、再稼働する」と口にしてきた。
■重要課題が手つかず
何より、事故の際の避難で、現実的な計画が描けていない。
■もっと深い議論を
根本的な問題は、日本社会が福島第一原発事故を十分に消化していないことだ。ーー 後略
↓ 全文
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
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「2」読売新聞
川内原発「合格」 再稼働への課題をこなそう
原子力発電所の再稼働に向けて前進したが、実現への課題も多い。
地元の同意取り付けなどを着実に進めることが重要である。
原子力規制委員会が、九州電力川内原発1、2号機について、新規制基準に「適合している」との審査書案を了承した。
川内原発は、再稼働の前提となる安全審査に、事実上合格したことになる。九電は、今秋にも再稼働を実現したいとしている。
新規制基準は、東京電力福島第一原発事故を踏まえ、厳格な安全対策を求めている。
川内原発が国内の原発として初めて新基準をクリアし、安全性が確認された意義は大きい。
安全審査でポイントとなったのは、どれくらいの規模の地震や津波を想定するかだった。ーーー中略
万一、事故が起きた場合の避難計画についても、住民への周知徹底が求められる。
川内原発の審査の経験を、他原発の審査の円滑化に生かすことが大事だ。川内原発以外に11原発17基が安全審査を申請しているが、合格のめどは立っていない。
規制委が電力会社に次々にデータの追加提出を要求するなど、非効率な審査をしてきたためだ。
川内原発の審査書案は、事故対策の審査経緯を詳しく記述している。これを参考に、電力会社は的確な審査準備に努めてほしい。
一方、地震や津波の想定に関する判断の理由は、ほとんど記述されていない。規制委は根拠を明示する責任があるのではないか。
電力供給は綱渡りで、料金高騰が生活と産業を直撃している。安全審査を加速させ、原発の再稼働を軌道に乗せねばならない。
↓ 全文
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20140716-OYT1T50180.html
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(文中抜粋)
<川内原発が国内の原発として初めて新基準をクリアし、安全性が確認された意義は大きい>。
<電力供給は綱渡りで、料金高騰が生活と産業を直撃している。安全審査を加速させ、原発の再稼働を軌道に乗せねばならない>。
◎.読売の趣旨は、上の2つの文章に要約できるのでは? さすがに天下の政府広報紙読売と言えどもこの件に関しては「言え」と言われている「事」が「事実」に反する「事」ばかりで上手いキャッチコピーは出来なかったみたいですね?!(keniti3545)
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「3」毎日新聞
川内原発再稼働へ 教訓学ばぬ見切り発車
東京電力福島第1原発の過酷事故から3年4カ月余り。新規制基準に基づく初の原発再稼働が現実味を帯びてきた。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)について原子力規制委員会がまとめた審査書案は、事実上の「審査合格」を意味する。
政府は新規制基準を「世界で最も厳しい水準」とし、合格原発は再稼働を進める方針だ。現在のルールでは、国民からの意見公募を経て、地元の同意を得れば再稼働が可能となる。福島の原発事故後、それ以前には無理だと思われてきた「原発ゼロ」のまま、日本は社会を維持してきた。新規制基準に基づく川内原発の再稼働は、過酷事故を経て、日本が再び「原発を活用する国」に戻る転換点となる。
◇防災対策は置き去り
私たちはこれまで、原発に頼らない社会をできる限り早く実現すべきだと主張してきた。一方で、そこに至る過程で、必要最小限の原発再稼働を否定するものではない。
ただし、条件がある。福島の教訓を徹底的に学び取り、過酷事故を防ぐと同時に、再び事故が起きても住民の被害を食い止める手立てを整えておくこと。さらには、政府が脱原発依存の道筋を描いた上で、エネルギー政策全体の中に原発の再稼働を位置付けることだ。
いずれの点でも、現状で川内原発の再稼働は合格とは言えない。このままでは、原発の安全神話の復活につながる懸念が大きい。
まず、事故が起きた場合の防災体制の整備が明らかに遅れている。ーーー中略
◇脱原発はどうなった
川内原発についても、九電が規制委の要求を受け入れ、想定する地震動を引き上げたのは、安全審査の申請から8カ月後の今年3月だ。
12原発19基が安全審査中だが、川内原発以外は審査終了のメドが立っていない。規制委の田中俊一委員長は「福島の事故が起こったという事実をもっと厳しく受け止めるという姿勢に欠けている」と電力各社の安全軽視姿勢を批判している。
新規制基準はテロへの備えなどを新たに取り入れ、地震や津波など自然災害対策を強化した。だが、基準は守るべき最低ラインであり、電力会社は事故リスクを自ら減らす努力を重ねていく必要がある。「基準さえ満たしていれば十分」との姿勢は福島の事故後、海外からも非難されたことを忘れてはならない。ーーー中略
滋賀県知事選では「卒原発」を掲げた新人が与党推薦候補を破った。各種の世論調査でも原発の再稼働に懐疑的な国民が多い。
政府はこうした観点も踏まえ、原発を動かすことのリスクと動かさないことのリスクを、具体的に国民に説明する責任がある。再稼働への理解を求めるのはその後だ。
↓ 全文
http://mainichi.jp/opinion/news/20140717k0000m070182000c.html
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「4」日本経済新聞
川内再稼働へ国は避難計画で責任果たせ
原子力発電所の「稼働ゼロ」の解消へ前進といえるが、再稼働にはなお多くの課題が残っている。
原子力規制委員会は九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の安全審査について、事実上の合格とする「審査書案」を了承した。東京電力福島第1原発の事故を受けて昨年7月に定めた新規制基準に照らし、合格第1号となる。
審査書案自体は妥当だろう。規制基準は重大事故を防ぐため最低限の対策を電力会社に求めた。九電は津波に備えて高さ10メートルの防護壁や非常用電源を設け、火災対策などもほぼ終えた。基準の大枠を満たしているといえる。
だが審査合格は再稼働の必要条件のひとつにすぎない。再稼働には地元の自治体や住民の理解が欠かせない。安倍政権は安全性が確認できた原発の再稼働について「国が前に出て地元の理解を得る」とした。電力会社まかせにせず、国がやるべきことは多い。
まず規制委の説明責任は重い。鹿児島県や地元市町は住民向けの説明会を予定している。そうした場に委員が出向き、審査経過を丁寧に説明するのは当然だ。
政府も再稼働がなぜ必要か、国民に説明を尽くすべきだ。事故が起きることも想定し、被害を最小にする態勢づくりも国の責任だ。
福島の事故後、原発30キロ圏内の自治体は防災計画が義務づけられ、川内では周辺9市町すべてが計画をつくった。だが高齢者や子どもらが安全、迅速に避難できるのかなど、課題が多い。
↓ 全文
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO74365490X10C14A7EA1000/
◎.読売と論調は同じだ 安全に注視の姿勢を見せながらも「再稼働を急げの方がはるかに重きを置かれている」事が読みとれる。(keniti3545)
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「5」産経新聞
川内再稼働 早期実現でリスク減図れ
九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の安全性は、福島事故を教訓とした厳格な新規制基準を満たす水準に達していると原子力規制委員会によって判定された。
昨年7月の新規制基準の施行以来、9電力会社が計19基の原発の安全審査を規制委に申請しており、その中での一番乗りだ。
国内の全原発48基の停止が続く状況下で、再稼働への扉が開かれようとしていることについては歓迎したい。だが、大規模停電が心配されるこの夏に再稼働が間に合わないのは重大な問題だ。
1、2号機に対する規制委の肯定見解などを示した「審査書案」は、これから30日間の意見公募にかけられた後、正規の合格証に相当する「審査書」に昇格する。
このお墨付きを得た上で、地元了解などの手続きが求められるため、実際の再稼働は早くても10月以降の見通しだ。
川内原発は、敷地内に活断層もなく審査の難しさが少ない発電所だった。にもかかわらず、合格内定までに1年以上を費やした。
当初は半年ほどで終わる見通しであったはずだ。規制委と電力会社間のコミュニケーションの乏しさが最大の原因だろう。審査の長期化を電力会社のせいにしていては規制委の自己改革は進まない。米国の原子力規制委員会が、組織の独立性とともに効率性を重視していることを学んでほしい。
自民党の国会議員の間でも規制委に対し、審査の迅速化を求める声が上がっている。原発停止で余分にかかる火力発電の燃料輸入代が年間3・6兆円に達している現状を考えれば、当然の要請だ。
毎日、100億円の札束を燃やして電気を得るという国富の流出に思いを致すべきである。
規制委の対応は、国力の低下や大規模停電の発生といった社会的リスクの増大は、一顧だに値しないとするかのような印象を与えている。国の行政機関がそれでは責任を果たせまい。
原発立地地域を含めて、規制委への信頼感が高まらなければ、原子力の安全文化は育たない。
今回の審査書案作成の経験を、後続する原発の審査加速に生かすべきだ。関西電力高浜3、4号機や四国電力伊方3号機などへの再稼働の連鎖を期待したい。
国も原発の必要性の説明に多くの汗を流すべきことは当然だ。
↓ 全文
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140717/trd14071703350002-n1.htm
”そ〜らどうした! もっと急げ!” ただただ再稼働を煽る内容は下記に要約されるだろう!?
<九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の安全性は、福島事故を教訓とした厳格な新規制基準を満たす水準に達していると原子力規制委員会によって判定された。>
< 昨年7月の新規制基準の施行以来、9電力会社が計19基の原発の安全審査を規制委に申請しており、その中での一番乗りだ。>
< 国内の全原発48基の停止が続く状況下で、再稼働への扉が開かれようとしていることについては歓迎したい。だが、大規模停電が心配されるこの夏に再稼働が間に合わないのは重大な問題だ。>
< 毎日、100億円の札束を燃やして電気を得るという国富の流出に思いを致すべきである。>
<100億の札束のために? 人命軽視の発言にも聞こえるよ!、あなた方でさえ心配している「安全の問題」もっと高めてから再稼働の扉を開けるか否かの議論をするべきでしょう。100億円の札束と人命は比較できないでしょうが>! (keniti3545)
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(地方紙代表)
「プラス1」東京新聞
川内原発・審査「適合」 ゼロの目標はどこへ
原子力規制委員会の審査で「適合」が示され、川内原発が再稼働へ向かう。だが、もともと規制委は、原発ゼロ目標を前提につくられたのではなかったか。
前民主党政権は福島第一原発事故の反省に立ち、一昨年九月の「革新的エネルギー・環境戦略」で、二〇三〇年代に原発をゼロにする方針を打ち出した。
福島事故以前は原発推進の旗振り役だった経済産業省から、原発の規制機関を独立させた。その規制委の基準を満たす原発は、当面の稼働を認めるが、四十年で廃炉にするという原発の“寿命”を厳格に適用し、新増設はしない。そうすれば最も新しい原発の寿命が尽きる二〇三〇年代に、原発は自然にゼロになる、という道筋だったはずである。
◆40年寿命が大前提
規制委の審査には、四十年寿命、新増設はなし、という大前提があることを忘れてはならない。
従って、新基準への適合とは、せいぜい、当面の稼働を認める仮免許といったところだろう。
「二〇三〇年代原発ゼロ」は政権の独断というよりも、一定の民意を集めて成り立った。
当時の政府は革新的エネルギー・環境戦略を策定する前に「討論型世論調査」という新しい手法を使って、民意を確かめた。
無作為に選ばれた市民に、将来原発をどうするかという討論会に参加してもらう。原発やエネルギーに関する十分な情報と専門家の助言が保証された二日間の討論を経て、参加者の意見がどう変わるかを調べるという手順である。
その結果、「二〇三〇年時点で原発ゼロ」のシナリオを支持した人が、約三割から約五割に増えたのだ。原発は一定程度必要だとした人は、討論の前後とも約三割と変わらなかった。万全ではないが、よりよい方法だった。
ところがその後、自民党政権は「二〇三〇年代原発ゼロ」を「具体的根拠が伴わない」とあっさり覆し、今年四月に閣議決定した国のエネルギー基本計画の中に将来的にも「重要なベースロード電源」とあらためて位置付けた。新増設も否定していない。規制委が昨年夏に定めた規制基準を「世界で最も厳しい水準」として、それを満たした原発を速やかに再稼働させる姿勢を明らかにした。
歯止めを外し、原発をゼロに導くはずだった規制基準を、原発を動かし続けるための基準にすり替えた。広く民意を問うこともなしに、である。
◆安全との保証はない
新規制基準は、津波や地震対策、そして過酷事故への備えを強く求めてはいる。
しかし、欧州のように、メルトダウン(炉心溶融)に備えるより根本的な改善を要求するものではない。当面の対症療法を求めていると言ってよい。
だからこそ、原発を持つ電力会社が比較的短期間で申請書類を整えることが可能になっている。
政府が繰り返し言う「世界一厳しい基準」にこそ、根拠はない。ーーー中略
小手先の話法と数の力でわが意を通すかのような安倍政権の政治手法に、疑問を抱く国民は少なくないだろう。
隣県に原発のある滋賀県民は先日の知事選で、隣県の原発事故に影響される「被害地元」の住人として、「卒原発」の民意を突きつけた。
◆しっかりと民意を問え
原発再稼働は、全国民の問題である。国民の将来を考えて原発を動かしたいと言うのなら、しっかりと民意を問うてみるべきだ。
福井地裁はこの五月、大飯原発の差し止めを命じる判決を出している。地裁の判断とはいえ、憲法の保障する人格権の見地から考察を加えている。規制委の審査とは違う視点もある。
なし崩しの再稼働は、かえって国民の不信を深めるのではないだろうか。
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◆7月8日拙ブログ (http://d.hatena.ne.jp/keniti3545/20140708/1404808499)へ提示の「集団的自衛権行使容認閣議決定」を受けた日の五大紙色分けと全く同じ結果だ。
∴ 再稼働と集団的自衛権は「表裏一体」と言ったのは、我々の目にも「この結果」が見えていたからですが、「秘密保護法」の結末も見据えるならば。昨日のCangaelさんブログ(http://d.hatena.ne.jp/cangael/20140716/1405464620)紹介にある、ジョセイフ・ナイ氏の、「米日中の良好な三角関係を望んでいる」が、この「三角は正三角形ではない。日本と米国は同盟関係なんだから、そんなに疑わなくてもよい」。という言葉に引っかけて言えば、
阿部総理の仕掛けた施策はアメリカさんの要望の枠をも超え正に暴走の感が大きく三角形に止まらぬ枠組みは三角錐、更には多角錐そしてどこまで行っても頂点はアメリカさん! もう、いくら他国より多くおこぼれをゲットしようと(或いは、良きポチぶろうと)しても自分だけでの操作は不可です。今自分が手がけていることが自国のためには一つも益になることはない。と言うことに気づかないのでしょうか? 阿部さんは? (keniti3545)
注:「ジョセイフ・ナイ氏もアーミテージ氏もジャパンハンドラーとして名高く、今の日本は正に彼らの描く日米関係に近づいていると言える」。とCaelさんも書き添えて居ます。
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