「keniti3545」since72:9月19日(水)雨20 ℃「東日本大震災」559日 今日の一題「近未来の福島に重なる姿」

*朝トレ:今日も変則行程と雨のため朝トレ中止

 台風の余波?ザーザーと「雨音」で目が覚めた。今日は千葉から妹夫婦墓参りに来てくれる予定だがこの雨では酷かろう。昨日墓掃除は済ませて女房殿と線香も手向けて来たので今日は雨の小降りに(日中は止むとの予報だ)なってからお参りと思っているところだ。

 結局、妹達が途中電話で「ゴー」だというので「香堂」「水回り」など整えておいたが、お墓参ってから9時には我が家着となった。お袋の見舞いにも寄るのでと、11時には我が家を立った。「千葉」と「日光」も日帰りでは遠い距離だ、「お袋が居ない家」には、妹も毎回は泊まらなくなってしまったな〜。夫婦二組話は弾んだが酒も飲めずにつまらんな〜。親父殿も飲む口持たなかったのだからしゃーないか。

 なんかここ「2、3日朝からの時間がせわしない」、でもこれが普通の生活なんだろうか?・・・、朝の1時間は「我れの時間」とは決められないことを学習した。もうリタイヤしてから二年も経つのに今更・・・ね?(独り言)




*「東日本大震災」「311フクシマ」559日


河北新報シリーズ「5/8」

今日の一題 「近未来福島の姿に重なる」 「偏見・差別そして風評」 

しかし : 「自分の子供達を守ろうとする母親は悪い人なのか」?



河北新報シリーズ「5/8」)


(5)偏見と差別/信頼回復へ情報を/風評解消、復興に必要



緑豊かなゴメリ市。行き交う人は多く、街の表情から原発事故の後遺症をうかがうことはできない















<州外で売れず>

 福島の桃は今年も甘い。4歳の娘と争うように食べている。でも遠方に贈るとなると、ためらう私がいる。 福島県で製造された花火は他県で打ち上げを拒まれた。地元に踏みとどまる親子は中傷の的になる。岩手、宮城県の震災がれきでさえ「放射能に汚染されている」と敬遠され、広域処理が進まない。放射能が人の心をむしばむ。

 偏見と差別が福島第1原発事故の被災地を苦しめる。その構図は、チェルノブイリ原発事故から26年が過ぎたベラルーシにも残っていた。

 南東部のゴメリ州。原発に隣接し、事故で最も放射性物質に汚染された。州都のゴメリは人口50万で、首都ミンスクに次ぐ国内第2の都市だ。中心部は豊かな緑に包まれ、大勢の市民でにぎわっていた。

 街で遊ぶ子どもの姿も日本の地方都市に比べるとかなり多い。少子化の傾向はあるが、州の出生率は2010年、1000人当たり11.6だった。日本より3.1ポイント高い。ベラルーシ全体と比べても0.2ポイント上回る。

 一見、事故の影を感じないが、州外からの冷たい視線は解けていない。「ゴメリの農産物には手を出さない。放射能が気になる」。300キロ離れたミンスクで、複数の人から聞かされた。

 ベラルーシでは、農地1枚ごとに汚染地図を作り、セシウムの吸収度を考えて作物を選ぶ。収穫後は出荷、加工、販売とさまざまな段階で放射性物質を検査し、安全性を確保する。

 放射性物質が検出されてもほとんどが1桁。厳しい検査で基準を超す食品は流通させないのに州外では買ってくれない人がいる」。ゴメリの国立放射線研究所でアレキサンドル・ポドリャク副所長が嘆いた。


<学生 就職敬遠>

 求人難の問題もある。 「大卒の若者が就職したがらない」。ロシア・ベラルーシ情報センター・ミンスク支所のニコライ・ボリセビッチ副所長が明かす。

 被災地で職に就けば、住居の提供や給料の上乗せ、兵役の免除などの特典がある。ゴメリは土壌の汚染度は高いが、空間線量や食品の安全性はミンスクと変わらない。しかし、学生の敬遠傾向は強く、医師、教師不足が深刻化している。

 ボリセビッチ氏によると、偏見の背景にあるのは、政府の発信する情報に対する根強い不信感だ。チェルノブイリ事故では、旧ソ連政府の情報隠し、指示の混乱が住民の反発を招いた。そのツケが今も重くのしかかり、「国はうそをつく」とレッテルを張られている。

 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の公表遅れ、事故対応の混迷。3.11後の日本政府の軌跡が重なる。


<汚染を可視化>

 ベラルーシ政府は信頼を回復しようと、国内各地に50を超す情報センター、300以上の検査所を設けた。住民が日常的に計測し、汚染の実態を把握できる。見えない放射能を可視化する取り組みだ。

 「信頼を失うのは簡単だが、偏見や差別を拭い去るのには時間がかかる。偏見の問題を解決しない限り、復興は終わらない」

 ボリセビッチ氏は視察団の覚悟を確かめたかのように力を込めて言った。

2012年08月19日日曜日




=================



「プラス1」

[日経ビジネス ON.LINE 2012年9月19日]






「首都圏3000万人避難」のリアリティを共有せよ
脱原発基本法」に仕込んだ政局の時限爆弾山岡 淳一郎  

 野田政権は、電力と原発をめぐる「国民的議論」を踏まえ、2030年代に「原発ゼロ」が可能となるよう「あらゆる政策資源」を投入する「革新的エネルギー・環境戦略」をまとめた。

 日本にはこれまで「原発ゼロ」を政策として打ち出した政権はない。民主党内で、原発ゼロ論議を終始リードしたのが、総理大臣として東京電力福島第一原発事故の発災に直面した菅直人氏である。

 首相在任中の菅氏は、決断や行動をするたびに「延命」「思いつき」「人気取り」と激しいバッシングを受けた。しかし、一国の宰相として未曾有の原発事故と向き合った人物は、菅氏の他にはいない。その体験に根ざす原発事故の「リアリティ」を私たちは共有できているのだろうか。

最悪の状況に立ち会った唯一の総理大臣

 菅氏は、極限状況で「首都圏3000万人避難」という最悪のシナリオを身を持って受けとめたことから、それまでの原発推進論者から一転、脱原発の先頭に立った。原発輸出にも「ノ―」を突きつける。議員立法として国会に提出された「脱原発基本法案」にも賛同者として名を連ねた。

 もちろんそこには、永田町の権力闘争を勝ち抜いたこの人ならではの「計略」も潜んでいる。

 事故から1年半が過ぎ、我々は予想以上に早く、あの時の気持ちを忘れ去ろうとしている。彼が体験した「3.11」について、改めて尋ねることで、長い夏の「国民的議論」の連載をしめくくろう。このピリオドは、原発をどのように縮小するかという具体的論議の開始を告げる合図でもある。


 山岡: 原子力委員会近藤駿介委員長が、福島第一原発から250キロ以遠の「移転」に言及した「最悪のシナリオ」を官邸に示したのは2011年3月25日。原発事故発生の2週間後でしたが、菅さんご自身が「首都圏3000万人避難」を切実に意識されたのは、いつ頃だったのでしょうか。

菅 直人(かん・なおと)
1946年10月10日山口県宇部市生まれ。本籍 岡山県。都立小山台高校卒。東京工業大学理学部応用物理学科卒。衆議院議員。2010年6月から2011年8月まで総理大臣を勤める。弁理士。妻、長男、次男の4人家族。現在、東京都武蔵野市に、母、妻と在住。(撮影:大槻純一 以下同)


 菅: 最初の一週間、防災服を着て官邸に泊まり込んで、奥の応接室のソファで仮眠を取っていたんだけど、しょっちゅう、最悪の状況が頭に浮かぶわけですよ。

 12日に1号炉がボンと水素爆発して、14日に3号炉、15日に2号炉、4号炉とどんどん壊れていく。福島第一原発だけで6基の原子炉と7つの使用済み核燃料プールがある。チェルノブイリは4号炉だけの爆発で、あれだけの大惨事になった。近くの福島第二原発と合わせて10基、11の燃料プールが制御不能になったらと想像したら、首都圏もただではすまない、と、考えずにはいられません。その度に背筋が凍りつきました。首都圏にはあらゆる機能が集中している。皇室の方々もお住まいです。どうすればいいか。

 ひと口に3000万人の避難といいますけどね、今回の事故で16万人の方が避難生活を強いられました。少なくとも、その約200倍の被害になる。


 政府のコスト検証委員会は、福島原発事故の被害額を約6兆円と弾いていますが、単純に200倍で1200兆円。国家予算の12年分を注ぎ込んでも賄い切れない。福島と首都圏の地価、さまざまな資産を比べれば、被害額はもっと膨らむでしょう。そうなれば、日本は、沈没する。ソファの上で震撼しました。一方で、外国の大使館はどんどん関西に逃げていく。


 山岡: ルース駐日アメリカ大使が福島第一原発から「半径50マイル(約80キロ)」に居住する米国人に避難勧告を出したのは3月17日未明でしたね。ドイツは、東京在住のドイツ人に避難を勧告し、大阪に大使館の一部を移しました。


 菅: 原発事故が恐ろしいのは、終わりが見えないことです。火力発電所とか、化学プラントの事故なら燃料タンクに引火しても、燃料が燃え尽きれば鎮火します。でも原発の核燃料は燃え尽きることがない。一体、どこまで被害が拡大するんだ、とゾッとした。福島にはチェルノブィリの何十倍もの核燃料があるわけですし。


 だから本当に命がけで「最悪のシナリオ」を防ぐしかなかった。チェルノブィリでは軍隊が出動して、決死隊がセメントを持ち込んで、“石棺”をつくりました。急性被曝で相当な数の人が亡くなっています。私自身が、そういうギリギリの判断を下さねばならない局面がくるかもしれない、と覚悟した。ですから、東京電力が撤退したい、みたいなことを言ったので、15日に本店に乗り込んで、「撤退なんてあり得ない」、と。

 日本がつくった原発の事故で、日本が逃げだすなんて不可能です。放射能を撒き放題にして、国際社会に対しても、どう申し開きしますか。200人の社員の前で、勝俣会長も清水社長もいたから、私らはもう60歳を超えた、多少被曝しても10年後にガンになる確率が多少あがる程度だ、われわれが率先して、やろうじゃないか、と言いました。


東電社内のビデオはぜひ全面公開してほしい


 山岡: そのやりとりのビデオを全部公開しろ、とずっと言っていますね。


 菅: 当然です。映像だけでなく、音も録音できているはずです。それを、「あの部分だけ音が入ってない」なんて言うんですから……。

 山岡: テレビ会議システムで東電の本社ビデオの録音ができていなくても、福島第一、第二、柏崎刈羽、あるいはオフサイトセンターでも録画できたでしょうね。その全部の音がないと言っているわけですね。

 菅: 変だよ。そこらじゅうで中継して、200人も社員がいてね、その人たちが見ているんだから、そもそも秘密でも何でもない。それを証拠になる音は出さずに「菅の言い方が酷かった」と。

 山岡: 怒鳴って、脅したと伝わってきました。

 菅: うん、確かに最後にひと言「ここで東電が逃げたら潰れるぞ」とは言いました。当たり前でしょう。東電が自分たちがつくって、運営してきた原発ですよ。逃げたら、信用をすべて失います。

 山岡: 3月16日、17日と自衛隊ヘリでの空中から原発へ注水を試みましたね。あれは、総理として、必死の姿を国民、全世界に見せようとしたんですか。



 菅: 単に見せるという話じゃなくて、本当に必死にやらないといけなかった。「何でもやろう」、と思っていたからやったのです。とくに4号炉は危険でした。天井が吹き飛んで、抜けているから、核燃料プールでメルトダウンが起きたら、直接、放射能が空や海に出る。北沢防衛大臣と相談をして、16日にまず自衛隊のヘリに飛んでもらったら、原発の真上はもの凄い放射線量で水の投下を断念せざるを得なかった。それでも、折木統合幕僚長を中心に制服の皆さんも何としても水を落とそうということになり、翌日、被曝線量を抑えるために、ヘリの床に鉛板を敷いて飛んでくれたんです。

 山岡: 水投下の効果には疑問符がつきましたが。

 菅: ええ。しかし、あそこまで、見えない放射能にだーっと攻め込まれていたのが、空から水を落として、やっと積極的な手立てが動き始めました。攻勢に転じる転機になったと思います。空中からどの程度の水が入ったかはわかりませんが、現場にいた消防、警察が、それを受けて下から放水での注入を本格的に開始しました。最終的にキリンと呼ばれる背の高い重機を使って、効果的な注水につながった。

 山岡: 現場の方々の士気も高まった、と。彼らの奮闘に頭が下がります。


「最悪の事態」を回避できたのは“幸運”のひとこと

 菅: 現場の人が懸命に取り組んでくれたので、3000万人避難という最悪のシナリオは紙一重で回避できました。


 でも、なぜ炉内に水が入るようになったのか、実は正確な理由はわかりません。一応、ベントで炉内の圧力が下がって水が入ったことになっていますが、メルトダウンして、炉のどこかに穴が開いて圧力が下がった可能性もある。わからない。

 だから紙一重。崖っぷちで、たまたまいい方向に転んで、3000万人避難が回避されたんです。それが本当のところだと思います。

 山岡: 僥倖だったと。

 菅: まったくそう。ラッキーだった。
 ひとつの事故で国が滅びるかどうかの瀬戸際に追い込まれたんです。その事故の重大さの基本認識に立てば、原発を無くすことでしか安全は確保できないとわかります。そこを基本認識にしなければ、原発の将来は語れない。


山岡:事故前は、原発の輸出を熱心に推進していましたね。

 菅: トップセールスをやっていましたよ。 ベトナムとかでね。 あの頃は「日本の原発は世界で一番安全だ」と思っていたので、 一生懸命、売り込みました。でも、いまは変わりました。事故の責任を誰が持つかを考えたら、とても外国に売り込んだりできません

 山岡: 経済界は事故後も原発維持を主張しています。

 菅: 経団連は、原発を止めたら電力料金が上がって、工場を海外移転しなくてはならなくなる、雇用が確保できない、などと言いますが、じゃあ原発事故はもう終わった話なんですか、と問いたい。3000万人避難は目前に迫っていたんです。その事実を受けとめてほしい。もしも原発を動かさなければ明日から国民が飢え死にするのなら、3000万人避難のリスクを冒す必要もあるでしょうが、そんなことはない


 山岡: しかし、電気料金の高騰が企業経営を直撃する現実もあります。仮に2030年に原発をゼロにした場合、電気料金が2倍になるとエネルギー・環境会議は試算しました。

 菅: それがミスリードにつながるんです。確かにエネ環会議は、2030年に原発0%なら電気料金は2.1倍になると試算していますよ。メディアの皆さんも2倍になったら大変だと書く。では、2030年に原発15%ならどうなのか。エネ環会議の事務局に聞いたら、1.8倍になるという。原発20〜25%でも、1.8倍近くになる。 「2.1倍か、1.8倍か」という比較の問題なのに、2倍、2倍と強調して、刷りこんでしまうんです

 山岡: 原発のコスト面では、核燃料サイクルのバックエンド(発電後の後始末)の費用など不明確な点が多い。

 菅: バックエンド問題も調べました。福井県高速増殖炉もんじゅにも、青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設にも行きました。はっきりしているのは、核燃料サイクルの継続は、延々と使用済み燃料を生みだすこととイコール。 その再処理費用がいくらかかるのか、きちんとした計算は一切ない。

 それで民主党内の「脱原発ロードマップを考える会」で専門家の皆さんに計算してもらったら、原発稼動を続けて使用済み核燃料を処理する費用と、原発ゼロにした際にそれを補うために増える燃料費は、ほぼ同じになりました。 しかも再処理の技術は確立されていません。核燃料サイクルの継続は非常にリスクが高いんです。 


原発ゼロにはふたつの意味がある

 山岡: 難題は、これまで再処理を前提に使用済み核燃料や放射性廃棄物を受け入れてきた青森県の反発です。青森県核燃料サイクル施設を受け入れるに当たって、再処理事業の実施が難しくなった場合、「(施設を運営する)日本原燃は使用済み核燃料の施設外への搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずる」との覚書を原燃との間で交わしています。核のゴミ捨て場、最終処分地にされないための防衛策です。

 政府は、負担を強いる青森県と県内市町村に「電源三法交付金」で2335億円(1981〜2011年度)を配っています。六ヶ所村には約3千トンの使用済み核燃料が溜まっていますが、三村申吾知事は、サイクル中止なら「粛々と発生元に返還する」とくり返しています。

 菅: 青森県はサイクル施設を受け入れる際に当時の政権と最終処分地にしないと約束をしています。そういう地元の苦労は、きちんと受けとめなきゃならない。青森県への対応はしっかりしなくてはいけません。しかしながら、原発サイトのプールが満杯で使用済み燃料を返還されても溜めようがない。

 だからといって「使用済み燃料の行き場がなくなるから、原発を稼動しろ、延々と使用済み燃料を発生させろ」というのは、完全に論理が逆転しています。「じゃあ原発は、使用済み燃料の再処理のためにあるのか」という話です。


  原発ゼロ」とは、ふたつのゼロを意味しています。 ひとつは原発稼動をゼロにすること。 もうひとつは、核廃棄物をゼロにすることです。 後者のゼロのためには、まず原発を止めて使用済み燃料の発生をなくする。さらにイギリスやフランスに再処理を委託して溜まった放射性廃棄物を含めて、すでに存在する原発のゴミを安全に処分していく。そのためには脱原発の技術開発を進めなくてはなりません


 山岡: 核のゴミを出さない。出たゴミは処分せよ、と。廃炉も含めて、そうした技術を静脈産業化できるかどうか。そうした産業の大転換は、政治が鍵を握っています。

 菅: いま、原発ゼロで、民主党、内閣、個々の国会議員が一気通貫になるよう、猛烈にやっています。官邸前へデモにきた皆さんと野田首相との対話も仲介しました。脱原発基本法の法案もつくりまして、国会議員と大江健三郎さんに代表される市民グループとの対話集会も開きました。

山岡:9月7日に提出された脱原発基本法案は、すぐに国会が閉じたので、継続審議になりました。脱原発を達成するためには野党とも手を組みますか

 菅: この法案には、野党の皆さんもずいぶん賛同してくれていますよ。幸いにして国会に提出できて、継続審議なので次の国会でも生きてきます。

 通常、原発の可否について、ヨーロッパでは国民投票で決まります。残念ながら日本では憲法改正以外の国民投票のしくみがないので、この法案をつくりました。非常に分かりやすい条文です。成立すれば誰が政権をとっても法的に拘束されます。

 山岡: 国民投票の代替手法としての基本法案でしたか……。

 菅: それと、もう一点、脱原発基本法案には、政治の戦略的狙いがこめられています。いまね、原発問題について、じっと黙っている政党がいるでしょ。

山岡:ああ、自民党公明党もはっきりしませんね。


 原発の議論に自民党を引っ張り込む 


 菅: 一般メディアは、ずっと野田政権対脱原発運動みたいな構図で、報道してきましたね。再稼働がどう、原子力規制委員会の人事がどう、と。でも、野田さんはイケイケどんどんで原発進めようなんて思っていません。だけどマスコミの論調で、一般の人は野田さんが……。

 山岡: 原発再稼働へ突っ走っているように見えます。

 菅: だけど、本心はそうじゃない。一番の問題はさ、野田さんが叩かれるのを、黙って見ている政党じゃないですか。この間も、自民党総裁選に名乗りを上げた林芳正さんがテレビで「原発問題は冷静に考えなきゃいけない、次の選挙の争点にすべきではない」、なんて言っていて、びっくりした。


 戦後、60年ちかく一貫して原発を推進してきたのは誰ですか。福島第一原発事故の大部分の原因は、制度的にも「3.11」以前にあるんです。自民党は、私が経験したことと同じことを、まさに突きつけられたわけだ。党というレベルでは、われわれより、もっと深い因果を背負っています。なぜ、真っ先に中曽根康弘さんに話を聞かないのか、と不思議で仕方ありません。


 山岡: 中曽根氏は国会議員として最初に原子力予算案を国会に上げて、成立させました。正力松太郎氏と一緒に原発導入に熱心に取り組み、青森県六ヶ所村核燃料サイクル施設の誘致が決まったのも、中曽根政権下でしたね。

 菅: 過去からの積み重ねがあって、事故が起き、いまどうするか、将来のビジョンをどう描くかという筋道で考えねばなりません。だから、次の国会で、脱原発基本法案を議論すれば、否応なく、自民党、さらに公明党にも、あなた方は原発についてどう思いますか、と質疑することになる。

 山岡: 脱原発基本法案が継続審議になったことで、自民党原発論議に引っぱり込む仕掛けになると。

 菅: そこが、ものすごく大きな意味を持ちます。国民の皆さんも、自民党河野太郎さんは脱原発の旗を振っているけど、彼はよほどの例外で、自民党の99.9%が原発維持だとわかるようになるでしょう。いま、みんな黙っていますけどね。


================

(keniti3545)

◎.選挙も近いことだし、菅さんを「まる、まる」信用する訳にはいきません。「311フクシマ」後の総括に於いても責任の一環を問われなければ成らぬ事情もあるのではないかという疑問も我れの脳裏から消えた訳でもありません。しかしながら究極の現場に足を踏み入れ、「曖昧模糊と評価する向きもありですが最終判断を下した」経験を今後に生かそうとする熱意は感じるられます。

 政権の中枢に返り咲こうとする「懲りないオバカさん」達より国民の為に尽くす道は残されている。自身も声を大にしている「脱原発基本法案」の国会委審議の要となってもらいたい。党派を超えた「脱原発推進の旗を命ある限り振り続けてて下さい」。「それがあんたの生きる道」・・・言い過ぎですか(笑い)

*.最後の一節、菅さんの弁は気になります:彼(河野太郎さん)はよほどの例外で、自民党の99.9%が原発維持だとわかるようになるでしょう。 自民党は「20」%の脱原発・民主は「70%」の脱原発、誰もそんなことは聞いちゃいませんよ!

河野太郎さんは脱原発」・「菅さんは脱原発?」、「個」を確り見定めた判断で、我々国民はは今度の選挙には臨みます。じゃなかったら選挙終われば元の木阿弥「党の力」「数の力」に負けましたなんてちゃっかり元の鞘「原発推進者」に返り咲き? 国民を舐めるなよ「核のうんちを投げつけるぞ〜」!(笑い) [keniti3545]


=================