「71才の365日」2月9日(木)雪・曇り5℃「東日本大震災」336日

*朝トレ:雪のため中止


*「国会かいま見聞」

田中防衛相は、今日も資質を問われた。「有事」に備えた見識を問われても、自然災害時に自衛隊を投入する方法論を問われてもちんぷんかんぷんの答弁。首相、又も任命責任の追及を受ける羽目に。

社会保障と税の一体化」に関しても、質疑に無理も見えるが、一体化を議論するにはお粗末な(不備)な素案は、野党からの格好な攻撃材料になっていた。

 大体、今日の論争も全部を見た訳ではないが「議事の進行」法案の審議に費やされた時間は「1/3」にも満たないのではないか?(勿論他の時間が全て無駄な時間とは言えないが:議長預かりの審議が3件程もあったと覚え)最終質問者の場面ちらっと見たが、「農水省がある部門の顧問に現職の公設議員秘書を迎えた件」等、民主党内の火種にならぬか?




*「東日本大震災」336日


今日の一題 「TPP事前協議の心得は!?」


(三紙読み比べ)
朝日新聞 (2012.02.09)

TPP事前協議―一元的な態勢をつくれ 

環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加に向けた事前協議が佳境を迎え、焦点である米国との協議が始まった。

 日本が本交渉に加わるには、参加9カ国のすべてから同意を取り付けることが必要だ。すでに事前協議を終えたベトナムブルネイ、ペルー、チリの4カ国は日本の参加を歓迎し、特に条件はつけなかった。

 米国とは、こうはいかない。通商交渉に強い影響力を持つ米議会には対日強硬派が少なくない。輸出倍増や製造業重視を掲げるオバマ政権も、大統領選を控え、具体的な成果を求めてくるのは間違いない。

 米通商代表部(USTR)は事前協議で、自動車や保険、農畜産物市場について、日本側の一層の開放や平等な競争の確保を求める姿勢を見せた。米国の関係業界が事前にUSTRに出した意見に沿っている。

 今後も厳しいやりとりが続くだろう。日本にメリットがある改革は実行しつつ、根拠のない指摘には反論すべきだ。

 同時に、要求に過剰に反応することも慎みたい。たぶんに駆け引きの要素があるからだ。最も強硬と見られ、日本の交渉参加に反対している米自動車業界の動きが一例だろう。USTRへの意見書では軽自動車への優遇措置をなくすよう求めていたが、このほど撤回した。

 TPPの交渉分野はモノの貿易だけでなく、投資や知的財産保護など20を超え、日本の利害は複雑に絡みあう。推進派と反対派の対立ばかりが目につき、中身がまだよくわからないという国民が多いのではないか。

 各国が日本に何を要求しているのか。日本政府はどう考え、どう主張したのか。事前協議に関する情報は可能な限り公開すべきだ。それが、事実に基づいて参加の是非を冷静に議論できる環境にもつながる。

 心配なのは、政府の態勢づくりが遅れていることだ。

 内閣官房に事務局を置き、外務、経済産業、農林水産など関係省庁が一体となって取り組む仕組みはつくった。ただ、実態は各省の担当者を兼務させただけで、全体を束ねる政府代表は空席のままだ。

 官僚以上に重要なのは政治の構えである。国家戦略相を議長とする関係閣僚会合はできたものの、誰が一元的に責任を持つのか、はっきりしない。

 社会保障と税の一体改革では、岡田克也氏が副総理として各省より一段高い立場から担当することになった。省庁間の縦割りをなくすには、同様の態勢がTPPでも必要だ。





読売社説 (2012.2月9日付)

TPP事前協議 日本参加は米国にもプラスだ

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に日本が参加できるかどうか、最大の関門である米国との事前協議が始まった。

 米国の了承を得て、TPPに参加し、自由貿易を推進することが重要だ。政府は協議を急がねばならない。

 野田首相は昨年11月、参加への決意を表明したが、日本が正式に交渉のテーブルに着くには、交渉中の9か国の同意が必要だ。

 日本は1月にベトナムなど4か国との協議で同意を取り付けた。シンガポールなど他の4か国も支持する見通しだ。TPPを主導する米国の姿勢が焦点といえる。

 TPPは全品目の関税撤廃が原則で、あらかじめ例外品目を設けた交渉は認められない。

 日本はこのルールを踏まえ、ワシントンでの日米協議で、全品目を自由化交渉の対象とする方針を伝えた。市場開放への強い決意を表明したのは妥当である。

 日本に影響が大きい重要品目に配慮したい考えも示した。いずれ国益の見地から、コメなどの例外扱いが焦点になるのだろう。

 米国は業界団体から公募した意見のうち、とくに自動車、保険、農産品に言及し、日本の市場開放を求める考えを示した。

 米自動車業界は、日本市場が閉鎖的だと主張してきた。日本での販売拡大を目指す米保険業界は、日本郵政のかんぽ生命との公正な競争を求めている。農業でも市場開放に期待する声が強い。

 今後数か月続くとみられる協議で、米国は具体的な要求を示し、対日圧力を強めそうだ。

 ただ、日米が対立し、事前協議が長引く事態は避けるべきだ。

 オバマ大統領は、輸出拡大による経済再生やアジア重視を掲げている。日本をTPPに加え、経済連携を強化することは、米国の戦略にもプラスに働く。

 米国は日本の参加実現を最優先し、柔軟に対応してもらいたい。政府の判断に影響を与える米議会でも、保護貿易主義の圧力が高まらないことが望ましい。

 焦点の自動車分野などは、TPPと切り離し、2国間で交渉する選択肢も考えられる。
 
国内で懸念されるのは、TPP参加を巡り、民主党などの意見集約が遅れていることだ。

 少子高齢化が進む日本は、アジアの活力を取り込み、経済成長に弾みをつけることが重要だ。

 政府は、TPPの意義を国民に十分に説明し、理解を求めるべきだ。農業の競争力を強化する取り組みも加速する必要がある。






 生き生き箕面通信(2012.02.09)

『日本の国益は野田政権で守れるか――TPPは「全品目対象」』 


 「日本は全品目を対象とします」と、日本政府の代表は2月7日の
事前協議アメリカ政府に伝えました。いよいよアメリカの餌食に
なる一歩を踏み出したわけです。

 アメリカの自動車業界は「日本はエコカーなどで閉鎖的な市場
にしている」と主張。保険業界は「日本の簡保生保などは民間と
の対等な競争を妨げている」。コメ業界は「コメの関税を撤廃が、
TPP参加の条件だ」。全米商工会議所は「すべての財・サービス
および貿易・投資に関する障壁を交渉のテーブルにのせるべき
だ」と、米政府に強く迫っています。

 アメリカ側の取り組みは、政府と民間の業界が一体となって日
本市場をこじ開けようとするもので、戦略的です。その背景には、
アメリカの失業率が遅々として改善しないこと、経済の好転が期
待したほどではなく、今後はさらに輸出に力を入れなければなら
ないという事情があることはつとに指摘されてきました。オバマ
んにとって、大統領選挙を勝ち抜くために「日本市場を開放させ
た」(アメリカの業界においしい”料理”を提供した)という実績が
必要なのももちろんです。

 片や日本はバラバラです。政権与党の中にも、根強いTPP反対
があり、コメ農家を中心とする農業団体をはじめとする民間団体の
中にも強い反対があります。そもそも「日本の国益は何か」という
根本すらおぼろげです。

 しかし、野田政権は、「ともかく参加する」というハラを隠して、
事前協議」というめくらましで動いています。野田政権の言い
分は「輸出市場が広がる。海外の安い物が輸入され、消費者
にプラス」というものです。しかし、TPP参加国で大きな市場は
アメリカだけで、輸出が伸びるというのは期待薄。海外から安
いものが入ってくることは、日本の国内市場が奪われることで
もあり、デフレが加速されます。働く人の賃金も下降する影響
を受けます。

 残念ながら程度の低い野田政権。この政権では、アメリカの
マッチョな腕力にたやすく組み伏せられ、日本はボロボロにさ
せられます。国会が政府の動きをけん制し、大手メディアがま
ともに機能することを期待したいのですが、どうも先行きは暗い。


箕面通信さんも、交渉時の心配をする論調になった。しかし、大手メデイアより、一段と心配の内容は憂慮すべき「質が高い」。今日の論評も、最終文節は(大手メディアがまともに機能することを期待したいのですが、)どうも先行きは暗い。と結んでいる。 (keniti3545)