71才の365日1月22日(日)曇り0℃「東日本大震災」318日

*朝トレ:雪で「コースクローズ」駐車場の雪かきです。朝の温度「辛うじて0℃」今プラスになっては体調に異変が起きてしまいます。いえ、まだ大丈夫です、一週間までは筋肉にも貯金(筋)がありますので。年を重ねますと、高額の「貯筋」は出来ませんが長持ちするんですよ。 


午後は、不調の炬燵ヒーターユニットを買いに「コジマ電気」へお買い物のお供でした。我れはヒーターのユニット交換を進めたのですが珍しく1,500円も高く付くセットでお買い求めでした。考えたんですが、以前の掃除機の部品修理に我れが手こずり、結局待ち時間の浪費だけお高く付いた学習を思い出されたようでした。


残念なれど楽ちんなり! 帰路、(結構コジマで、チラシのお買い得品USB メモリー・SDカード・プリンター用インク・写真用紙(大画像向け、簡易)・購入品は破格のお買い得品ばかり、ついでにパソコン、ノートの大容量が欲しいと思っているが、?年前とは雲泥の差、直ぐにも欲しくなりましたが「ヤーメタ」。3月に友麻の入学祝い約束してるものな〜。へ〜、我れって結構金銭感覚しっかりしてるな〜? これっておかしくないですか?完全リタイヤ2年目ですが・・・。)

カッコが閉まらないままおしゃべりしましたが、そうです帰り道です。せがれが駐車場へ、「幸楽苑」、ラーメンやさんでした。ファミレスで順番待ち何度かさせられたことあるんですが待ちました。チィエーン店だそうです、日曜日の昼時ですものね!


美味しかったですよ、メニューに「中華ソバ」とあったので「それ」と頼んだら女房殿もせがれも「それ」にしたのですが、せがれが餃子一枚を頼んだので「中華ソバ」だけを味わいたかった我れでしたが、割り当ての2個餃子も食べました。どちらも結構美味しかったです。 (正直言って前回付き合わされた特製ハンバーグより数段美味しかった) 店を出て値段を聞いてびっくりしました! 3人で「1,110円」、これは社会探訪の価値ありかも・・・今市には殆ど雪がないのに、旧日光市内に入ると、とたんに雪景色でした。家の周りには20センチの新雪です!





*「東日本大震災」318日


今日の一題「原発国民投票&再稼働二紙の読み比べ」 


1、 「1」朝日新聞:東京の人よどうした!「国民投票意志の低さ」?! 「2」亡霊に引き回される読売の暴言「再稼働を急げ」?!

「1」 朝日新聞 社説

原発住民投票―都民の関心、示すとき 原発に、イエスかノーか。

 東京で住民投票をしよう。

 この署名活動が、いまひとつ盛り上がらない。

 呼びかけているのは、市民グループ 「みんなで決めよう『原発国民投票」。 東京電力の大株主の東京都と、関西電力株を持つ大阪市に、住民投票を実施するための条例づくりを直接請求しようという活動だ。

 すでに1カ月間の署名期間を終えた大阪市では、請求に必要な「有権者の2%」を上回る、6万人あまりを集め、選管の審査を待っている。

 だが、東京では期間2カ月の3分の2が過ぎても、まだ必要な21万余の半分に届かない。

 この少なさは、どうしたことなのか。

 署名の趣旨は「原発反対」でも「推進」でもない。

 原発の是非を自分たちで決めるために、住民投票をしようというのだ。

 つまり署名の数は、関心の強さをはかる物差しになる。

 首都圏の電力は原発事故前、3割近くが原子力で賄われていた。その消費者の都民が、わずか2%の関心すら示せなかったら、福島県をはじめ原発の地元住民はどう思うだろう。

 一方では、関心はあるのに、どこで署名できるのかがわからないという人も多いようだ。

 東京の有権者は1千万人を超える。新宿駅前などに常設の署名場所があるが、隅々までは行き届かない。

 しかも、署名集めを担う「受任者」は、自分の住む市区町村の有権者からしか署名を集められない。こんな地方自治法の規定も、活動の壁になっているのは確かだ。

 リーダーの発信ぶりの違いも大きい。

 大阪の橋下徹市長は、住民投票そのものには懐疑的だが、市長選で「脱原発依存」を掲げていた。それで関心を持った市民も多かったろう。


 これに対して、東京の石原慎太郎都知事は「エネルギーをどうやって補給するかの設計図もない時点で、センチメンタルともヒステリックとも思える」と突き放すだけだ。

 だが、住民投票こそが、この「設計図」を市民がみずからの問題としてとらえ、考えていくきっかけになるはずだ。

 原発の行く末をみんなで考える。そのための住民投票をするには、もっと署名が要る。

 大震災を機に、エネルギー政策が根幹から問い直されているいまこそ、都民は消費者としてもの申そう。そのために、首都で住民投票を実現させよう。


◎「どうしたの東京の人」!?  政治不信の象徴的住民が大多、(数選挙にもアレルギー反応)占拠率が一番低い大東京?住民投票をしましょうと言う呼びかけにも無反応の都民が多いのは何故か? これでは「いかなる選挙でも」、「イエス」か「ノー」かを問われても意思表示もしないのか? 


「311・今のフクシマ」・「地震以外の被災地の復興状況」とか、日本人として現実を見ているのでしょうか? 東京で消費される電力の多くをフクシマその他の原発から供給されていた事実も知っているのでしょうし。最低の関心を示す義務まで放棄してしまう人種のるつぼなのでしょうか?、


「東京」は別世界なのか?、かっては我々世代のヒーローであった都知事にも、もの申したい。大切な事案に声を上げる住民に育てて下さいよ! そうでなければ都知事推挙のオリンピック招致にもイエスもノーも返事が聞けませんよ! 自身も受賞経験のある「文学賞をこき下ろしたり」、我れの問う問題とは次元の異なる物かも知れませんが・・・。(腹立たしくて論理の組み立て無しの恨み節です kenniti3545) 朝日新聞の「ハッパ」に感謝!!
 





「2」読売新聞 社説
エネルギー政策 電力危機の回避を最優先せよ
 国民生活に不可欠なエネルギーを、どう確保していくか。今年は、この難問を解決せねばならない重要な年である。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響が続いている。定期検査で停止した原発を検査終了後も再稼働できない。このままでは4月下旬にも全54基の原発が止まり、電力の3割を失う非常事態に陥る。

 野田首相は、安全を確認できた原発を再稼働させると繰り返しているが、実現のメドは立っていない。首相は強い危機感を持ち、原発の早期再稼働に指導力を発揮するべきだ。

 ◆原発再稼働が急務だ???

 経団連の調査では、電力不足が2〜3年続くなら、製造業の6割が国内生産を縮小・停止させるという。電力不足は、産業空洞化と雇用の減少を引き起こす。

 原発に代わって火力発電で供給能力を補う対応にも限界がある。追加の燃料費が全国で年3兆円以上もかかり、経済的な損失が大きいためだ。

 東電は増えた燃料費を賄うため、4月から、工場やオフィスなど大口契約者向けの電気料金を、平均17%値上げする。家庭向けも値上げを検討中だ。

 電気料金の上昇は生産コストに跳ね返り、企業の経営体力と競争力を弱める。家計の負担も増え、消費などの内需を冷やす。

 “電力不況”を防ぐためにも、安全が確認された原発の再稼働は欠かせない。各原発の安全性を国の責任で確保し、地元自治体などの理解を得る必要がある。

 ◆現実的な電源構成示せ◆

 エネルギー政策の抜本的な見直しが大きな課題となる。首相は、中長期的には原発依存度をできるだけ下げる方針を示しているが、具体策はあいまいだ。

 政府は今夏、新たなエネルギー戦略をまとめる。審議会や会議が乱立し、議論は拡散気味である。首相が主導して、将来のあるべき電源構成について明確な方針を示してもらいたい。

 太陽光や風力など再生可能エネルギーへの期待は大きい。エネルギーの国内自給や環境保全の観点から、普及拡大が望ましい。

 だが、水力を除けば全発電量のわずか1%で、現状では発電コストも割高だ。天候などによって電力が大きく増減する弱点もある。基幹電源に育つには、長い年月がかかるだろう。

 電源構成の将来目標は、安定供給や経済性、安全性などを総合的に考慮した、現実的な内容としなければならない。

 政府は唐突に原発を原則として稼働から40年で廃炉にする方針を決めた。60年まで延長できる例外規定を設けるというが、代替電源のあてもなく「40年廃炉」を打ち出したのは無責任だ。

 古い原発を安全な新型炉に更新する選択肢も示すべきである。???
 政府が将来の「原発ゼロ」を掲げてしまうと原子力分野の人材が海外に流出するだけでなく、後進も育たなくなる。技術は衰退し、既存原発の安全操業や廃炉さえ困難になりかねない。???
 中国など新興国原発の増設を進めている。日本は高い技術を維持し、安全な原発の輸出や操業ノウハウの提供で貢献すべきだ。

 政府は電力制度改革にも着手した。電力会社が発電から送電を一貫して行う体制を見直す「発送電分離」が主要テーマだ。電力会社の見積もった経費をもとに電気料金を決める「総括原価方式」の見直しも議論されている。

 競争原理を導入してコストを軽減する狙いはいい。だが、性急な改革で電力供給が不安定になる恐れはないだろうか。

 10年ほど前に米カリフォルニア州で頻発した大規模停電は、発送電分離に伴う送電設備更新の遅れなど、電力改革の副作用が一因とされる。教訓としたい。

 東電の経営改革も急務だ。政府などが出資する原子力損害賠償支援機構の設立で、被害者に対する当面の賠償資金は確保された。

 しかし、福島原発廃炉費用などは支援機構による資金援助の対象外だ。東電は10年で2・6兆円のリストラを行うが、経営努力だけでは巨額の費用を賄えない。

 ◆国も事故コスト分担を◆

 政府は支援機構を通じて公的資金を注入し、東電を実質国有化する方針だ。経営破綻を防ぎ、東電に事故収束、損害賠償、電力安定供給という三つの責務を果たさせるために必要な措置といえる。

 ただし、損失拡大と追加支援の悪循環に陥る恐れがある。国有化を契機に、廃炉や除染などのコストを、国がきちんと分担する仕組みを検討すべきだろう。 ??? 原発事故の賠償責任を民間電力会社だけに課す原子力損害賠償法の妥当性や、原発事業の「国策民営」の是非などについても、本格的に論議しなければならない。



◎読売新聞さん、世論は10,000,000人の、もう「原発は要らない」の全国署名が集まって居るんです。 
原発再稼働が急務だ◆  これはどういう事ですか!? 

電力不足が起きる心配なら、回避の方法を考えるのは当然、でも最早国民はエネルギーは・(発電に使う燃料は)原子力以外の代替を急げと言ってるんです。休止原発の再起動を急げ等は論外の筈です。国民は覚悟を決めた意思表示をしているのです。 とにかく一番危ない文殊の起動停止と、老朽原発は優先的に停止、最低限でも40年経過は無条件に止めていく。その後も、計画的にを順次停止の道標を立てましょう。国民の共通認識として。 (keniti3545)






「プラス1」にも、今日は二題
(Nuclear F.C : 原発のウソ 2題)


「1」
2012年01月21日12:23 カテゴリ
原子力発電所東京新聞1/21 老朽炉は例外なく廃炉にすべきだ @井野博満東大名誉教授どうする老朽原発

 政府は原発の運転期間(寿命)を原則40年、最大20年の延長容認とする方針を決めた。しかし、専門家の間で政府方針への評価は分かれている。

原子力安全・保安院が老朽炉の安全対策を協議するため設置した「意見聴取会」のメンバーで、「老朽炉は例外なく廃炉にすべきだ」と主張する井野博満東大名誉教授と「寿命を一律に設けることは意味がない」とする庄子哲雄東北大教授に意見を聞いた。(聞き手・木村留美


◆東大名誉教授 井野 博満さん

 −政府が示した原発寿命の方針についてどう考えるか。 「40年を寿命としたことは評価できるが、延長もあるとしていて、運用次第で今までと同じことになりかねない。これまでの運用方法を改革する必要がある。40年で例外なく廃炉にすることを決めるとともに、30年を経た原発の審査を厳しくするよう方針を改めるべきだ」


 原発の寿命を40年とする根拠は。「最初に30年とか40年もつように材料や機器を集め設計している。もちろんその年数が経過したからといって、すぐに壊れるわけではない。修理しながらぎりぎりまで使い、費用があまりにかさむようになったら止めるというのが経済的、という考え方もあろうが、原発には全くなじまない。万が一、事故が起きた時に収束が非常に困難だからだ。原発は特別な技術であり、安全に万全を期す必要がある」


 −耐用年数を厳密に守るべきだと。 「そう思う。まず老朽化原発はすべて止めろと言いたい。特に、原発の技術ができはじめたばかりの1970年代につくったものはすぐ止めるべきだ。圧力容器の厚い鉄の板の熱処理は当時は技術的に大変だった。材質にむらがあるのではないかと疑っている」


 −再検討の発端となった福島第一原発の事故の原因と老朽化の因果関係をどうみる。 「福島の場合、老朽化により地震で壊れる可能性があったのは配管だ。1号機では想定より早く水位が低下し配管が破断したとの推測はできる。断定はできないが、老朽化が影響した可能性はあると思っている」


 いの・ひろみつ 東京大学大学院数物系研究科博士課程終了。東京大学名誉教授。専門は金属材料学。「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」の代表。共著に「福島原発事故はなぜ起きたか」など。73歳。



◆東北大教授 庄子 哲雄さん

 −政府が示した原発寿命の方針をどう受け止めるか。 「何を根拠にしているかよく分からない。科学的合理性などの評価を無視し、政府が規制の強化をアピールする意味合いが強いのではないか。国民感情を考慮したのかもしれないが、エネルギー政策の議論を詰めないまま方向を決め、行き当たりばったりの感がぬぐえない。日本の技術力低下も危惧している」


 原発に寿命は必要ないか。 「発電所ごとにかなり個性がある。まだ原発ができたばかりの1970年代と比べ、技術の進歩もあるので運転実績を踏まえた評価が必要。バリバリ働いている人に隠居しろと言っているような場合もある。ひとくくりにはできない」


 −寿命がなくても安全を担保できるか。 「温度や圧力に加えて、振動や部材の厚みなど原発の状況を常時監視することで、予測されない状況が起きていないかいち早く検知し、未然防止していくことが重要だ。また、事故を教訓にチェルノブイリから多くを学んだ欧州のように、事故ありきの精神で危機管理をしっかりとしていかなくてはいけない」


 −福島第一原発の事故と老朽化の因果関係を指摘する声もある。 「福島第一の40年目の評価にかかわり、材料の劣化や保全に関係するところも見てきた。指摘されている配管の破断も保安院の資料によれば、機能に影響を及ぼすような大規模なものとは考えにくいとされている。地震から津波までの間の情報は不明な部分も多いが、機器の経年劣化が事故につながったとは現段階では思えない」


 しょうじ・てつお 東北大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程を修了。工学博士。専門は材料強度学。東北−リヨン理工学ジョイントラボラトリー共同所長。2002年から経産省総合エネルギー調査会の委員。64歳。


<老朽原発 

日本は原発の寿命を決めていなかったが、今月6日、政府は運転開始後、原則40年とする原子炉等規制法改正案を示した。極めて例外的とするが最大20年は運転延長できる。

これまでは30年で初回、その後は10年ごとに審査を受け延長する方法だった。国内の老朽原子炉は、40年超が福島第一の1号機など3基、30年超〜40年未満が関西電力美浜原発2号機など16基ある。
東京新聞・核心 1月20日





「2」
2012年01月21日19:54 カテゴリ
燃料サイクル毎日新聞1/21 特集ワイド: もんじゅ、三つの危険 火災が怖い、地震に弱い、核暴走も


もんじゅの仕組み

 発電しながら核燃料のプルトニウムを増殖させる原子力発電所高速増殖炉」が、岐路に立っている。脱原発の世論が高まる中、高速増殖炉の研究開発に莫大な資金を投じることに疑問が広がっている。

高速増殖炉に反対し続けてきた元京都大原子炉実験所講師、小林圭二さん(72)に問題点を聞いた。【和泉かよ子】


高速増殖炉に反対を続ける元京都大原子炉実験所講師、小林圭二さん

 ◇専門家指摘「監視が必要」

 電力会社が運営する原発の「軽水炉」は、核燃料を消費するだけで増殖はしない。高速増殖炉プルトニウムを生産する機能を優先しているために、軽水炉より危険性が高い構造だという。小林さんは「高速増殖炉軽水炉はまったく別のものと考えた方がいい」とクギを刺す。


 現在、日本の高速増殖炉開発の最前線は、独立行政法人日本原子力研究開発機構」の「もんじゅ」(福井県敦賀市)だ。まだ「原型炉」という研究段階の炉で、出力は28万キロワットしかないが、それでもさまざまな危険があるという。

危険性を大きく三つ挙げる。
▽ 火災になりやすい
地震に弱い
▽核暴走を起こしやすい(核分裂が制御できなくなる)。

最初の二つは、冷却材が金属のナトリウムであることに起因する。もんじゅは液化した約500度のナトリウムが流れる構造だ。


 そもそも、なぜ冷却材が水ではなくナトリウムなのか?


 軽水炉はウランに中性子をぶつけて核分裂を起こし、もんじゅプルトニウム中性子をぶつける。中性子をぶつけるのは同じだが、軽水炉中性子の速度が遅く、高速増殖炉は速い。

あまり知られていないが、中性子の速度が遅い方が核分裂が起こりやすく効率がいい。そのため軽水炉中性子を水で減速する。

一方、もんじゅの「プルトニウムの増殖」は、中性子の速度が速いほどプルトニウムがたくさん生産できる。冷却材に水を使うと中性子が大幅に減速するため、なるべく減速させないよう金属のナトリウムを使う。


 小林さんは「『増殖』というからには、使用したプルトニウムより生産したプルトニウムが多くなければならない。プルトニウムの生産性を上げるため、もんじゅ中性子を減速しない。だから、核分裂の効率は悪い。それを補うため、核燃料はぎゅうぎゅう詰めで、燃料に占めるプルトニウムの割合も高い。これがまた危険性を高めている」と解説する。


 では、三つの危険を順番に見ていこう。

 「火災になりやすい」は、ナトリウムの化学的活性が強いため。水と爆発的に反応し、高温のナトリウムは空気に触れると燃える。実際に95年12月、配管に差し込んでいる温度計のカバーが壊れ、隙間(すきま)からナトリウムが漏れて火災になった。


 「地震に弱い」は、ナトリウムを流す配管のことだ。「配管の肉厚が薄い。軽水炉(加圧水型)は約7センチあるが、もんじゅは1センチぐらい」。ナトリウムは熱しやすく冷めやすい。原子炉が緊急停止すると、ナトリウムは急激に温度が低下し、配管の内側と外側で温度差が生じる。配管に厚みがあると温度差で破断してしまうのだ。


 最後の「核暴走の危険性」が最も深刻。
小林さんは「停電して冷却材のナトリウムを流すポンプが動かなくなったとする」と想定し、「流れなくなったナトリウムが核燃料に加熱され、沸騰すると危険だ」と言う。ナトリウムが気化すると、飛び交っている中性子は衝突する相手が減って速度が上がる。

ここで重要なのは「中性子の速度が上がると、1回の核分裂で放出される中性子の数が増える」という現象だ。中性子が増えるので核分裂が増え、更に温度が上がってナトリウムがもっと気化する。中性子の速度は更に上がる−−。この拡大悪循環に陥るという。

 中性子の速度が遅い方が核分裂の効率がいいと前述したが、高速増殖炉で使う「高速中性子」の領域では、速度変化は核分裂の効率にほとんど影響しない。小林さんは「高速増殖炉では、中性子の速度が上がると核分裂は増大する」と結論付ける。核燃料の温度が2800度を超えると燃料が溶けてくっつき、ますます危険になるという。

 もんじゅ軽水炉と同様、非常時には制御棒が作動し、中性子を吸収して核分裂を抑える。しかし小林さんは「高速増殖炉の拡大悪循環は数十秒で進む。制御棒の抑制効果を超える過酷事故はありうる」と警鐘を鳴らす。



 もんじゅの来年度予算が削減されるなど、高速増殖炉の開発にはこれまでにない逆風が吹いているように見えるが、小林さんは「原子力ムラはそう簡単に方針を撤回しない。表から見えないところで政治的な動きを続ける。今後も監視は必要だ」。眼鏡の奥の目は鋭かった。

 ◇「何重にも安全措置」 原子力機構「全電源喪失でも問題なし」

 危険性の指摘について、もんじゅを運営、管理する日本原子力研究開発機構敦賀本部広報課に聞いた。


 まず、耐震性は「2010年の耐震性の再評価で、想定される最大の揺れ760ガルでも設備の安全性は保たれると結論付けられた」とする。


 火災の危険が伴うナトリウム漏れ対策としては「格納容器の1次系ナトリウムがある部屋は常に窒素で満たしており、ナトリウムが漏れても空気と触れて燃焼することはない」と説明。

2次系でナトリウムが漏れた時は「配管からナトリウムを速やかに抜き取って漏えい拡大を防ぐとともに、多量のナトリウム漏れが検知されれば窒素を注入し影響の拡大を防止する」。


 核暴走に関しても「何重にも安全措置があり、そのような事態にはつながらない」と可能性を否定。原子炉が稼働中に非常事態で電源喪失した場合、原子炉上部につり下げられている19本の制御棒は重力で自然落下し、中性子を吸収して核分裂を停止させる。「電源喪失しても制御棒は機能する」


 停電の際は非常用ディーゼル発電機が自動起動するが、福島第1原発のように全電源を喪失したら?


 同課は「冷却材のナトリウムを循環させるポンプは停止するが、ナトリウムは自然循環して空気冷却器で冷やされる。気体や液体は熱いものが上に上がり、冷たいものは下に下がる。この自然現象で循環するので、核燃料でナトリウムが加熱されて沸騰することはない」。


 あくまで「ナトリウムは沸騰しない」という見解だが、何らかの理由で沸騰しても核暴走には至らないのか聞いた。同課は「(ナトリウムが沸騰して)気泡が発生すれば、一時的に炉心の中心部で核分裂が増える。

しかし、もんじゅの炉心は、規定以上に出力が上昇すると原子炉から漏れる中性子が増え、自然に核分裂が抑制される特性がある」と説明。出力が異常上昇した場合は、制御棒が挿入され自動停止する仕組みもあるという。

全電源を喪失して冷却材のナトリウムが沸騰するという最悪の事態でも、「全電源喪失時は制御棒が挿入され核分裂が停止しているので、ナトリウムに気泡が発生しても問題にならない」と強調した。

毎日新聞 2012年1月10日 東京夕刊




◎総理の就任挨拶にも示された、「原発依存度の順次削減」ぶれたら周りから修正を加えながらでも道標を立ててもらいましょう。 (1)先ず文殊廃炉 (2)老朽原発の停止・廃炉 (3)定期診断(修理)で停止した原発の再稼働禁止 『不足電力』は「民間各企業と、個人の節電」+「政府主導の発電に関わる原子力代替エネルギー含むエネルギーの調達」により賄う。国民の覚悟有り。

◎東電は自前の試算で、国民を脅かすことなく、専門チームに試算の精査を依頼、正味不足のカバー方を考えるべきだ。部外の学者と経験者の知恵を借りて即刻取り組むべきと思います。 (keniti3545)