「71才の365日」9月3日(金)雨・風(22℃)「東日本大震災」177日

*朝トレ:台風の雨・風で中止

・昨日も午前中に40分程の雨休止を見つけて、少々濡れながらの走・歩行の短縮版ありでしたが、今日こそダメでしょうね? 今、窓の外は嵐です! (昨日はカラスのつがいにも逢えたんですよ)






*「東日本大震災」177日  

最初の一題です=原発問題は収束に向かうどころか被害が拡大していく現在進行中です。国民は今の時点から知っておく・覚悟しておく必要があります。これからは、知らなかったではとても済まされないことが起きる可能性が大です。この小出先生の生の声で多くの方に解説を聞いてもらいたいですね! [keniti3545]
2011年9月1日(木)、小出裕章氏が毎日放送たね蒔きジャーナル」に出演しました。テーマは 「首相交代、廃炉工程案、放射能汚染ゴミの処理、[クリアランス]の規制上限引上げ」についてです。生の声で聞いて下さい!
          

http://www.youtube.com/watch?v=pp4pMb921sw&feature=player_embedded


(書き起こし) 録音が聞けない方は、下記をお読みいただければ解ると思います。
              ↓ 

千葉「では小出さん。たね蒔きジャーナルとしては、1週間ぶりになりますが、よろしくお願いします。今日は毎日新聞論説委員の落合さんと一緒にお話を伺います」

落合「落合です。よろしくお願いします。」

小出「こちらこそ、よろしくお願いします」

千葉「さてこの1週間の間にいろいろニュースが出ておりまして。まずこれからお伺いしたいのですが。え、総理大臣が脱原発を言っていた菅さんから、同じ民主党でありながら、止まっている原発はできるだけ早く再開したいという意見を持っている野田さんに替わりますけれども。これは小出先生、どうおもわれますか」

小出「はい。まあ始めから政治が大嫌いだというふうにお伝えしてきたつもりですけれども。えー…、残念です」

千葉「やっぱり、残念ですね」

小出「はい」

千葉「わかりました。そしたらですね、こちらの、ニュースに参ります。えー、これは昨日、東京電力福島第一原発1号機から4号機の廃炉に向けて、核燃料を原子炉や燃料プールから取り出す作業工程案というのを初めて公表しました。でそれによりますと、まずロボットで原子炉建屋の中を除染して、格納容器の水漏れを直して、中を水でいっぱいにして燃料を冷やして取り出す、といっているのですけれども。これって以前できないって言っていた、冠水、水棺じゃないかと思うんですけれども。」

小出「はい」

千葉「そんなこと現実的にすすめることができるんでしょうか」

小出「多分できないと思います」

千葉「やっぱ、できませんか」

小出「はい」

千葉「えー、これ、まずロボットで原子炉建屋の中を除染して、という計画なんですけれども。これもできるんでしょうかね。」

小出「もちろん完璧にはできませんけれども。人間が入れるという状況にするまでにはやはり、何がしかをロボットにしてもらわない以外には、でき…作業が進まないと思いますので。なにがしかロボットによる除染という…ことは、多分必要だと思います。ただそれだけでは人間が入れるようにならないと思いますし。なかなかこれは大変な作業だろうなと思います。」

千葉「そうすっとまあ、そう進めていったあと東京電力の案では格納容器の水漏れを直してっていってるんですけれど」

小出「(笑)。これはまずできません」

千葉「はあー。やっぱりそんな直せるような状況じゃないんですか」

小出「はい。あの、多分そうだと思います」

落合「どこが1番難しいのでしょう」

小出「えー、1番難しいのは。えー、融けてしまった炉心というものが、もともとはその圧力容器というものの中にあったわけで。その中にある限りは作業は比較的容易です。米国のスリーマイル島の事故があったときにも、融けた炉心が圧力容器の中にありましたので、なんとかなりました。しかしすでに圧力容器を融かして下に落ちてしまっているわけで。それを取り除こうとすると、今東京電力が絵に描いたように、格納容器全体を水没させなければいけないわけで。私はまずそれができないと思いますし。それをやったところで、融けた、融け落ちたものがですね、ペデスタルという部分に落ちてる筈なんですが」

千葉「ペデストルですか?」

小出「ペデスタル、と呼ぶ圧力容器のすぐ下の部分なんですね。それで東京電力の、えー…、まあ今回のロードマップによると、そのペデスタルの部分に全部、残っているという、まあそういう期待のもとに書かれているのですけれども。恐らくそんなことはありません。え、すでにペデスタルから外に、外にって言うかそのペデスタルに人間が入るスペースがあるのですけれども。そこを通ってもっと外に出てるはずだと私は思いますので。それを回収することは、まず、今のような東京電力の工程表ではできません。東京電力はまあなんとか取り出したいということで、彼らの希望通りになっていて欲しいという、ことで今回の工程表を描いたと思いますけれども。実際にはもっともっと困難な状況のはずだと思います。」

千葉「それにあのー、今アメリカのスリーマイル島の事故の話が出ましたけれども。あのー…、そこでは今回東京電力が出したような工程表で対応したというようなことを話しているんですが。今回は、3つもメルトダウンした原子炉があるんですので、全部同じやり方で対応できるってことはないですよね」

小出「多分ないと思います。まずあの、1号機に関しては、すでに、東京電力も、国も原子炉そのものがメルトダウンをしてしまった、と認めてしまっているわけですし。えー…、炉心、圧力容器そのものが、もう底が抜けていますので、少なくともスリーマイル島のような事故収束はできません。全く別なことを考えなければいけませ、いけませんし。2号機と3号機に関しては未だに炉心がどこにあるかすらがわからないというそういう状態で、未だに事故が続いています。」

千葉「じゃあ、まったく絵に描いた餅という気がするんですけどもねえ」

小出「そうですね」

千葉「ええっとなると、どう処理していったらいいんでしょうか…」

小出「わかりません。今回の事故は本当に人類が初めて遭遇するという、それほどの事故になってしまっていて。えー…、今現在の状況がどうであるかも分かりませんし。これから収束のための作業をしながら、1つ1つの状況がどうかということを見ながら、新たな作業というものを考えながら、未知の領域に踏み込む必要があります。」

千葉「…。まあそういった中で、今回東京電力がだしてきたというのは未知の領域にも踏み込めていないと、いう話だったわけですね」

小出「はい。非常に楽観的な絵を書いたんだと思います」

千葉「わかりました。そしたら次はですね、汚染された瓦礫の問題なんですけれども、環境省は、瓦礫を燃やしたあとも、8000ベクレルから10万ベクレルの放射線量の灰について。正式に一般廃棄物最終処分場での埋立処理を認めたということなんです。で灰をセメントで固めて、えー、雨水の侵入を防ぐ処置をした処分場で、処分してくれということなんですが。これである程度の安全性は保たれるんでしょうか。」

小出「えー、放射能に関する限り安全性という言葉を使うべきではないと思います。どこまで危険を我慢するかということでしかないはずで。これまでは、原子力発電所を解体するという時期がいつか来ると言っていたわけですね。機械ですので廃炉にしなければいけないと。そういう時には1つの原子力発電所を、廃炉にすると、約60万立方メートルのゴミが出てくると。えーそのすべてを放射能で汚れたゴミとしてお守りをしようとすると大変お金がかかってしま うので。あるレベル以下の汚染度のゴミは、もう放射能として扱わなくていいという法律を日本はすでにつくっています。それを私たち、クリアランスと呼んでいるんですけれども。」

千葉「クリアランス」

小出「はい。その法律によると、1キログラムあたり100ベクレル以下、セシウムの場合ですけれども。そういうものに関してはもう放射能の規制は要らないので、普通の産業廃棄物処分場に捨ててもいいし、どうしてもどのように使ってもいいという規制だったんですね。今回もうそんなことはいってられるような事態ではないということで、8000ベクレルという、もう、約100倍も強いというそういうものもそこらに埋めてしまうしかないと言い出している、 わけですね。ですから、私からみると、まあ途方も無いことを言い出したなと、思いますし。そこまでもう事態が悪くなっていて、それ、その程度の危険なら受け入れるしかないというところに来てしまっているということ、なわけです。で、今私は1つの原子力発電所廃炉にすると60万立方メートルと言いました。 それ自身も気の遠くなるほどの大量のゴミですけども。今福島県内、あるいは岩手県宮城県で生じてる瓦礫というのは、そんなものはもう比較にならないほどの 膨大の瓦礫があって。それが放射能で汚れているわけですし。まあもっと言えば、下水の汚泥等もそうですね。東京の下水の汚泥もそうなってるわけですし。も う、それを、どうやってこれからやっていけるのかと、いうこと。これまでとは、もう法律が、もう全く対処できない事態が生じてるわけですので、えー新たなやり方というのを考えて。やはりある程度のことは我慢をするしかもう、生きられないというそういう世界になったと思います」

千葉「あの、この汚染された瓦礫に関してはですね。菅総理大臣が退任間際になって、福島県知事と会談をして、福島県内に汚染された土や瓦礫を保管する中間貯蔵施設をつくるように要請したということなんですけれども。えー、地元福島県富岡町の町長さんは、中間貯蔵は数十年になる。事実上の最終処分と 変わらないじゃないかと言ってるんですが。これについては、小出先生はどう思われますか?」

小出「そうです。この問題は大変悩ましいと、思います。今、瓦礫にしてもそうですけれども。避難地域の大地もそうなんですけれども。放射能で汚され てしまっているのですね。でも今私が放射能を、でと言った。それはもともと、放射性物質というものですけれども。それは本来は東京電力福島第一原子力発電所の原子炉の中にあるべき、ものだったわけですし。東京電力の所有物であったものです。それが、事故によって吹き出してきて、言わばまあ世 界中に汚染を広げている、わけですけれども。1番私がいい解決法は、それを東京電力に返すことだと、思います。まあ、あの、本当に理想的にできるのであれ ば福島第一原子力発電所の原子炉の中に戻せればいい、わけですけれども。今やもうそんなことは全くできなくなっているのですね。ですから、出来ることでい うなら、福島第一原子力発電所の敷地の中にせめて戻すと、いうことがまず原則だと思いますし。私の夢をもし言わせて頂けるのであれば、今回の責任のある東 京電力の本社に持ってくというのがいいと思います」

千葉「出した責任をとれということですね」

小出「でもまあ、それはあまりにも現実的じゃないでしょうから。まずは東京電力福島第一原子力発電所の敷地の中に、もってくと。でもそれだけでは 足りないということはやはり、もうこうなってしまうとあると思いますので。その時に、これは私はたいへん言いにくいけれども。福島原子力発電所の敷地の周 辺で、二度と人が住めない場所が必ずあります。」

千葉「はい」

小出「えー…、そこの場所を核のゴミの処分場にすると。いうことが 実質的な解決方法として選択せざるをえないだろうと私は思います。ただしその場 合に私は、念を押しておきたいのですけれども。だからといって、その場所を日本中の原子力発電所の核のゴミの墓場にしてはならないと思います。えー、今回 の事故に限ってそれはもうしょうがないということで、私は今、発言をさせていただいたつもりです。」

千葉「はい、わかりました」

小出「はい」

千葉「小出先生どうもありがとうございました」

小出「ありがとうございました」

落合「ありがとうございました」

小出「ありがとうございました。」

千葉「京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんにお話を伺いました」




今日の二題目  (脱線ではありません。これから対外的にも必要欠くべからざる条件になるでしょう) [keniti3545]
難しい問題です=・原子力学者は育て続けなければなりません。 ・ロケット技術は日本の宝です。

「宇宙」から見る無責任ニッポン」
政府に梯子を外され20年、企業は自力で世界へ(日経ビジネス編集部が書き下ろした記事です)

 「このままじゃ、ロケットを開発できる人材がいなくなる」。7月末の夜、三菱重工業の技術者が、焼酎を片手につぶやいた。日本の宇宙産業をけん引してきたこの会社でさえ、直面する厳しい現実に言い知れぬ不安を抱いている。

 米国、ロシア、欧州。世界の宇宙産業は、この3勢力が圧倒的な強さを誇る。猛烈に追い上げるのが中国とインドの新興国だ。かつて宇宙先進国だったはずの日本は、宇宙産業という角度で見れば、ようやく市場参入を果たしたばかりのルーキーに過ぎない。ここまで世界との差を広げた張本人は、ほかならぬ日本政府になる。

貿易摩擦人工衛星が犠牲に
 最初の転機は1990年。日米通商摩擦で米国から市場開放を迫られた日本政府が差し出したのは、人工衛星だった。政府や企業が衛星を調達する際、研究開発用など一部を除き、国際入札が義務付けられた。海外から技術を取り込み、工夫して進化させ、ようやく世界へと打って出ようとした矢先の出来事に、国内の衛星メーカーは大きな打撃をこうむる。

 信用第一の宇宙産業では、何よりも運用実績がものを言う。実績が豊富で信頼性の高い海外製品に新参者の日本製品は太刀打ちできず、日本政府や企業が発注する人工衛星は海外製となる。実践の場を奪われた日本メーカーは、ここから10年にわたり世界から忘れられた存在になった。

 2008年、当時の自民党政権宇宙基本法を制定した。商用市場への参入を阻まれ、研究開発に進まざるを得なかった日本の宇宙産業を、もう一度国として後押しする狙いだった。この法律は宇宙に関わる多くの企業から、喝采をもって迎えられた。

 翌年、決定された宇宙基本計画は、この法律の趣旨を具体化するものだ。衛星の打ち上げ基数を2倍に増やし、日本版GPS(位置情報システム)を整備。ミサイル探知など防衛分野への応用や、ロボットによる月の資源探査まで盛り込まれた。計画達成には総額2兆5000億円が必要と試算され、宇宙関連予算は6000億円への倍増が示唆された。この追い風を受け止めるべく三菱電機やNECは宇宙関連の売上高を大幅増とする事業計画を策定した。

しかし、今度も政府はあっさり梯子を外す。政権維持に腐心する民主党政府は長期的な戦略が不可欠な宇宙産業の振興に後ろ向きだ。次世代中型ロケット「GX」の開発を中止すると、財源不足を理由に、決めたばかりの宇宙基本計画の見直しに乗り出す。6000億円という予算はとても望めず、2011年度の当初予算は3099億円。予算倍増どころか、縮小傾向にある。

 ツケを押し付けられたのは企業だ。例えば主力ロケット「H2A」の運用を民間移管された三菱重工。人員と設備の維持に年間で最低3回、できれば4回の打ち上げが欲しい。しかし政府予算が縮小され、国頼みでは安定した打ち上げ回数を確保できない。

 ロケットは宇宙へ行く手段を確保する国家として極めて重要なインフラのはず。これを維持する責任は、三菱重工という民間企業が背負っている。民間の力を活用していると言えば聞こえはいいが、国から企業へ責任を転嫁しているとも言える。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20110830/222344/01.jpg  (画像)
三菱電機は自助努力で世界の人工衛星市場に参入した。イラストはトルコから受注した2基の人工衛星のイメージ


 だからこそ、日本の宇宙産業は世界を目指す。政府を信用しても裏切られるとばかりに、自力で世界に挑む覚悟を決める。三菱電機は製造する人工衛星を研究目的の特注品から、商用利用をにらんだ量産品へ設計思想を変更した。国際入札を勝ち抜き初めて受注した人工衛星が、日本の「ひまわり7号」だ。これを契機に実績を積み、海外で着実に受注を重ねている。

「宇宙は儲からない」
 三菱重工も苦闘する。H2Aロケットは打ち上げ能力の限界から大型化する世界の衛星マーケットの1割しか対応できない。新技術を盛り込み開発したため原価が高く、確実な衛星打ち上げに特化したロシアの「ソユーズ」などに比べ価格が高い。懸命のコスト削減努力も円高・ドル安で帳消しにされる。「宇宙は儲からない」という淺田正一郎・宇宙事業部長の言葉は、偽らざる気持ちだろう。

 海外で戦い、次の技術者を育成するには、新しいロケットが要る。商用化を視野に入れた次世代ロケットの開発を三菱重工は強く要望し、JAXAの立川敬二・理事長も「早期の予算措置が必要」と話すが、一向に決定されない。宇宙予算を補うために海外へ出るのに、必要な製品を開発できない。多くの株主がいる上場企業としては、撤退を考えてもおかしくないが、「撤退はありえない」(大宮英明社長)とするのは、ひとえに国のインフラを支えるという同社ならではの使命感からだ。

 日本企業の苦境を表す言葉として「六重苦」という言葉が使われている。円の独歩高、進まぬ貿易自由化、重い法人税、厳しい労働規制、温暖化ガス規制、そして電力不足。企業が六重苦の中で収益を稼ごうと懸命なのに、政府は首相ポストの争奪戦に全力を尽くしている。

 最初は規模が小さいからと犠牲になり、次は短期的に成果が見えにくいからと後回しにされた。「夢と希望」という明るいイメージの影で、宇宙産業が味わってきた悲哀の歴史。それが、産業界全体にまで広がるのではないか。宇宙産業は、政府に頼らず世界を目指そうと努力を重ねてきた。無責任なニッポンを企業がいつ見限っても、なんら不思議はない。


原子力技術者の育成はどうなるんでしょうね? 以前インタビューで小出先生は言っていました。 私は原発を作るのも、使うのも反対です。 しかし原子力学者、技術者は必要です。   せめて、 反原発思想を持つ学生も受け入れてくれる原子力村であってほしいと・・・  [keniti3545]