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「今日の一題」
定期検査後の原発再稼働問題:「ストレステスト導入」政府の唐突な「発表」とその後


1.全原発 ストレステスト実施の発表  7月6日 18時45分

定期検査中の各地の原子力発電所で運転再開のめどが立たないなか、経済産業省は、住民の安心感につなげるため、すべての電源が失われるなど深刻な事態に対してどこまで原発の安全性が保たれるのかを確認する「ストレステスト」と呼ばれる安全評価をすべての原発で実施することを明らかにしました。しかし具体的な内容やスケジュールは決まっておらず、評価を終えるまで運転再開の判断をしない自治体が出てくることも予想されます。

ストレステストは、菅総理大臣から指示を受けた海江田経済産業大臣が、6日朝、急きょ実施する考えを明らかにしました。ストレステストは、一般に製品の性能の限界以上に力や電流などを加えた場合に、どのような影響があるかを確認する試験で、今回、国が参考にするのは、EU=ヨーロッパ連合が、福島第一原発の事故を受けて導入したシミュレーションによる安全評価の手法です。原子力安全・保安院によりますと、EUのストレステストでは大地震津波の規模を段階的に大きくした際に、原発の設備などがどこまで耐えられるのか限界を見極めるとともに、すべての電源や冷却機能が失われるという深刻な事態への対応策について具体的に評価します。これによって原発の設備の弱い部分を洗い出し安全性の向上につなげようというものです。原子力安全・保安院は、各地の原発の安全性については、これまでに行った緊急安全対策で十分に確保されているとして、今回導入するストレステストは、あくまで住民の安心感を得るためのものだとしています。しかしストレステストの実施については、5日夜遅く、海江田大臣から指示を受けたばかりで、具体的な内容やスケジュールは今後決めるということで、評価を終えるまで運転再開の判断をしない自治体が出てくることも予想されます。これについて海江田大臣は「電力供給に問題が起きないように責任を持って対応していく」と話しています。


2. 九州電力原発やらせメール 「番組周知」執行役員指示 課長、意をくみメール
 九州電力玄海原子力発電所佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開に関する佐賀県民向け説明番組を舞台にした「やらせメール問題」で、九電の課長級社員が意見投稿を依頼したのは、上司の執行役員から番組放送を原子力関連部署や子会社に周知するよう指示されたことが発端だったことが分かった。九電は7日、この社員への聞き取り調査を実施。眞部利應(まなべとしお)社長自らが動機やメールの送信先などについて聴取した。

 玄海原発の再稼働を巡る説明番組は6月26日、ケーブルテレビで放送され、番組中に賛否の意見を募集した。関係者によると、執行役員は番組があることを玄海、川内(せんだい)両原発など原子力関係3部署や子会社4社に周知するよう部内で指示した。

 原子力発電本部の課長級社員はこの意を受け、発電再開容認の意見を番組に反映させる方法を具体的に子会社や社内の部署にメールで依頼したとみられる。

 依頼メールでは「極めて重大な関心事で、万難を排して対応に当たることが重要」と番組の意義を説明。その上で「進行に応じて、再開容認の立場から県民の共感を得るような意見や質問を発信」するよう指示していた。 毎日新聞 2011年7月8日



3.岸本玄海町長、九州電力に「再稼働撤回」を伝達  佐賀県内ニュース
 東松浦郡玄海町の岸本英雄町長は7日、原発の「耐性」を調べる国の安全評価(ストレステスト)の実施と九州電力の「やらせメール」問題を受け、玄海原発100+ 件2、3号機再稼働の同意撤回を九電に伝えた。再稼働については安全評価の結果を受けて判断する。やらせメール問題では「町との信頼関係に亀裂が入った」と厳しい姿勢を見せ、事実解明と再発防止策の明示を再稼働の条件にする考えを示した。

 同日、急きょ開いた町議会原子力対策特別委員会で同意撤回の意向を伝え、了承を得た。この後、九電の真部利応社長に電話で伝達。真部社長は「分かりました。大変ご迷惑をかけて申し訳ありません。今後の対策については、なるべく早く説明に上がりたい」と答えたという。


 岸本町長は新たな安全評価の実施表明について、一貫性のない国の対応を批判。さらに、やらせメール問題が発覚し、「怒りが倍増した」と心境を述べた。特別委では「許し難い行為」と語気を強め、再稼働同意を撤回する考えを報告した。


 玄海原発100+ 件は年内に1、4号機も定期検査に入ることから「全炉停止は避けたい」としつつも、再稼働の判断は「安全評価の結果を受けて考えることになる」と言及。九電に対しては「対策を徹底しなければ、再稼働にはつながらないと強く要望する」と述べた。

 
 一度は再稼働に同意した自らの判断については「経産大臣から直接、安全だと説明を受けた。今でも緊急安全対策には一定の評価をしており、拙速だったという思いはない。国に、はしごを外された感じだ」と語った。

    ◇   ◇

  国、九電に翻弄された玄海町 町長の拙速な判断に非難も 

全国が注目する中、玄海原発100+ 件2、3号機の再稼働同意からわずか3日で撤回に転じざるを得ない事態になった東松浦郡玄海町経産相の「安全宣言」後、追加の安全評価(ストレステスト)実施を打ち出した国に加え、これまで信頼関係を築いてきた九州電力も「やらせメール」で大失態を演じた。政治と電力会社に翻弄(ほんろう)された“原発の町”には7日、怒りや不信、疲労が充満した。

 岸本英雄町長の同意撤回表明を受け、急きょ開かれた町議会原子力対策特別委員会。国や九電への批判が相次いだ。

 「まさに内閣不一致。ここに来て新たな対策を出すやり方は許されない」。岩下孝嗣議長は唐突に追加対策を表明した菅直人首相を痛烈に批判。再稼働容認の意向を示していた脇山伸太郎議員も「なぜ今頃、ストレステストなどと言い出すのか」と国に不信感を募らせた。

 一方、再稼働に反対する藤浦晧議員は「経産省も九電も利益追求のために再稼働を急いでいたことがはっきりとした」と強調。「こんな問題をはらんだ国や電力会社を信じて再稼働を認めた」と町長の判断を非難した。

 信頼を寄せていた国や九電に、住民からも厳しい見方が出始めた。ある男性(67)は「町はきちんと手続きを踏んできたのに、また一から出直しか」と国に愛想を尽かし、会社員男性(52)は「九電は他の電力会社よりも信頼できると思っていたが、これで帳消し」と切り捨てた。

 信頼失墜に「次の再稼働判断のハードルは間違いなく上がった」と中山敏夫議員。真部利応社長に電話で同意撤回を伝えた岸本町長は「経産相と九電を信じたいが…」と漏らしつつ、「一度、容認したのに撤回と言うのは非常に恥ずかしい」と力なく語った。



4. 原発耐性試験:佐賀知事、政府に「翻弄され」 知事会対策特別委、反発相次ぐ 
東京電力福島第1原発事故を受け、原発の安全対策を協議する全国知事会原子力発電対策特別委員会の初会合が7日、東京都内で開かれた。九州電力玄海原発佐賀県玄海町)の再稼働問題を抱える佐賀県古川康知事をはじめ、原子力施設が立地する5県の知事らが出席。会合では、政府が全原発対象のストレステスト(耐性試験)実施方針を唐突に打ち出したことなどへの批判の声が相次いだ。

 古川知事は、海江田万里経済産業相の再稼働要請後にストレステストの実施方針が発表されたことを念頭に「政府が統一見解を持ち、誰が話しても同じになるのでなければ、我々はとうてい政府を信頼できない」と、定まらない政府の姿勢に不快感を表明。「(地元は)本当に翻弄(ほんろう)されている」と述べ、原発に関する菅政権の方針が見えないことへの不安を吐露した。

 中国電力島根原発を抱える島根県の溝口善兵衛知事も「政府が真摯(しんし)にやる姿勢がなければ、何かを決めるのは非常に難しい。政府に猛省を求める」と述べた。

 茨城県の橋本昌知事は、ストレステストの実施自体は評価しつつ「何をやるのかはっきり示されておらず、いかにも唐突だ」と指摘。青森県三村申吾知事は「急な話で驚いている。エネルギー政策全般について、国が基本的な方針をしっかりと示すことが重要だ」と注文した。【中山裕司】

毎日新聞 2011年7月8日 東京朝刊



◎ 管総理、またまた「思いつき、ごり押しの付け焼き刃」?!  
海江田経産相には気の毒ですが、この不手際が「玄海原発再稼働反対」運動に繋がり、先ず「1基減の実績」となり→点検休止が来る原発全てを順次「運転停止」へ導く為の導火線に進化することを望みます。→政府は否応なしに、代替エネルギーの確保・電力確保の「方策決定」を急ぎ、実施へのアクションを加速せざるを得なくなるでしょう。 「できなくはないんですよ」! このシナリオを書くための国民的なコンセンサスは「半ば取れている」のではありませんか? これを形づくってみせる「カリスマ」が今の日本には「政界」にも「市民運動家」にも居ないんですね。 今の日本は「政治家の信念より、国民の我慢強さが勝る」「ねじれ国家」! 打開策は国民が考え、国民が声を上げなければ何も前に進まない状態なのでは?! (keniti3545)