「71才の365日」6月26日(日)雨 「東日本大震災」108日

*朝トレ:雨で中止。?

 



*「東日本大震災」108日
   今日は「二題」

[一題目]
生き生き箕面通信930(110625)(ブログ上で教えていただいた新聞です)

 ・原発はなぜ悪いの?」と、平松大阪市長

 関西電力の最大株主である大阪市平松邦夫市長は、関西電力に「脱原発」を迫る案に反対する方針を表明しました。関西電力株主総会は29日に開かれますが、一部株主から「原子力発電からの撤退」が提案されることになっています。これに対する対応を問われた昨日の市議会財政総務委員会で、「私はすぐに原発を止めろと言っていない。その点で『反原発』とは明らかに一線を画する」と答弁したものです。

 さらに、「一民間企業の経営に地方自治体が株主権を行使して介入することには極めて慎重にならざるを得ない」と述べ、関電株を9%保有する最大株主として「脱原発」を求める株主権の行使は否定しました。

 いま私たち日本人に求められているのは、これからの社会のエネルギーとして原子力に依存し続けるのか、それから脱して自然・再生エネルギーへ転換するのか、の選択です。エネルギー問題は、自治体こそが判断し、選択しなければならない直面する課題です。

 平松市長の態度は、この問題に対する判断停止、つまり一見すると思考停止に見えます。しかし、「脱原発」に反対するのですから、事実として少なくとも「原発は維持」の立場だということになります。関電からの働きかけはそれだけ平松市長に影響力を与えたということでもあります。

 これまでから、大阪市長の選挙には必ず関西電力パナソニック松下電器)が大きな影響力を及ぼしてきました。今回も市長選挙には、橋下大阪府知事から対立候補を立てられる、場合によっては橋下氏自身が大阪市長候補として”刺客”に立つほどの攻勢がかかっています。関電からは、「当方の意をくんでくれるなら応援しますよ」というメッセージが届けられたことは想像に難くないところです。

 本日の朝刊には、高速増殖原型炉「もんじゅ」の原子炉容器内に落としてしまっていた装置を撤去できたことが報じられ、日本原子力研究機構は来年3月末までに「もんじゅ」の試運転を再開したい考えです。

 日本人は「熱しやすく冷めやすい」という傾向があります。いまは、「脱原発」の方向に振り子が振れています。しかし、この夏の暑さがピークを迎えるころ、「クーラーが使えない」「工場はフルに動かせない」という事態に直面したらどう変わるでしょう。まして、電気料金が「上がる」となれば、「やはり原発を動かすのはやむをえないのではないか」とならないでしょうか。

 「原発を選択するのか、脱するのか」「核のゴミを子孫につけ回すのか、ストップするのか」は、単に目先の暑さしのぎや、電気料金というお金の問題を超えた問題ではないでしょうか。「私たちの生き方」そのものの問題ではないでしょうか。


*これから暫くの間、原発問題は推進派・脱原発派・条件付き廃止論・諸説紛々の様相を呈する時期に入ってくるでしょうが、上記もその1例先日の元駐タイ大使岡崎久彦氏のアジビラもどきの文章に我が意を得たりと飛びつく輩も多くを数える様になるでしょう。そんなときの「スタンスの取り方」、是非、(我れも今日の「二題目」に掲げた)武田先生の「アバウトの勧め」を体得していただきたいと思います。 (keniti3545)




二題目

アバウトの勧め
「あなたはクロウトか、シロウトか?」
と聞かれたら、

「私はアバウトだ」
とお答えになる。さすが、日下公人さんだ。ものの本質をとらえ、しかも日本語と英語がミックスして見事だ。経済学者で超一流になると言われることが違う。

実は、自然科学にもおなじような手法がある。それは「入り口と出口を完全に一致させておかなければならない」ということだ。

世間的にも「入ってきたお金と出ていくお金はイコールでなければならない。借金も含めて」ということと同じで、実にわかりやすい。

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私はプラスチック・リサイクルでこの手法を使った。

1) プラスチックは年間1400万トンぐらい消費される。

2) リサイクル率は60%と公表されている。

3) プラスチックのリサイクル商品を調べると10万トンも行かない。

つまり、入り口は1400万トン、出口は1400トンの60%のリサイクル品だからおよそ840万トン(アバウトなら800万トン)あるはずだが、市場にはまったく見あたらない。

ところが、多くの人は「60%はリサイクルされている。NHKがそういっているから」ということになる。そして「ペットボトルは背広に使われている」と思う。

でも、市場にリサイクル製品がほとんど見あたらないことは事実なのだ。そうなると、1400万トンか60%のどちらかが間違っていなければならない。

ところが私のこの指摘に対して、「調査が不十分」とか、「関係のない数字をつなぎ合わせている」という批判が多かった。

批判は歓迎だから良いけれど、調査をするほど内容が不明確になるということは、とても多く、まず大きく構えて論理的に整合性があるかをいつも考えることは「自分の頭を動かす」というためにはとても大切なことだ。

また、質問が思い浮かばないと言う人も、この手法を身につけると疑問は多く出てくる。

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もうひとつが最近、ブログに書いた「成人病と死亡率」の関係だ。

1) 成人病が急激に増えている。

2) 成人病になると死亡率が増える。

3) 平均余命(50歳程度を基準)は急激に増えている。

という3つのことはやはり矛盾する。もちろん、詳細に詰めるとどこかに間違い、ウソ、トリック、錯覚などがあるのだが、とにかくつじつまは合わない。

まず、それからスタートする。そして細かい数字が判ったからと言って、この矛盾が解決するわけではない。どこかに誤りがあるのだ。

この場合は、「成人病の定義」、「死亡率の計算方法」などに問題があることは判ったが、それ以上は、今も調べている。内容が全部わかるまで10年ぐらいかかる。リサイクルも私が最初に出した本が2000年、おおよそ判ったのが2007年だった。

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アバウトに反撃してくる人に二つのタイプがある。一つは、その人自身はデータを持っていない場合、もう一つは利害関係がある場合である。

この社会は複雑だから、トコトン調べるのは時間がかかる。だから、まずは大きくとらえて疑問を持ち、それを徐々に解いていく・・・とても興味のあることだ。
(平成22年4月29日 武田邦彦


*我れはこの文章の、赤字の部分がとても気に入ってます!とくに「私はアバウトだ」という言葉は凡人が使ってはいけない「深い〜言葉」でしょうが、我れは昔から次元の低いところで多用して来ています。これからも悔い改めることはかないませんが心して口にする様心がけます。
(keniti3545)