「71才の365日」5月29日(日)雨 「東日本大震災」80日

*朝トレ降雨のため中止:
・5時、階下に降りて味気ないコーヒーすすりながら念のため、キッチンのガラス窓開けると格子の向こう、空き地の檜からウグイスが誘う「ホーホケキョ」雨で残念だ?ま、しゃーないよなウグイス君(君が階段上の彼ならB君と呼ぶんだが・・・)、今日は「忙中閑あり」としゃれ込んで見ようか!」(なにを気取ってるんだよ!?)(独居房暮らしが)(己の忙とはそも何ぞや?) 「誰の声?」

東京の孫共の運動会も中止だろう、これもしゃーないよな、関東も昨日梅雨入りしたんだもの。女房殿は大変?いや、望んでいって居るんだものラッキーだよね!? とにかく今日は我も「アバウト人」として人格を認める日としよう。


*実は「アバウト人」て、認められて居るんです。 我れも尊敬している、かの有名な「武田先生」に。チョット内容は微妙に届かないところもあるんですが、肝心なところは我も地でいっているところあると思うんですが、下記に紹介させていただきます。大ブレだったらお叱りのコメントでも下さい。 両先生にはお許しを・・・。




アバウトの勧め 「武田邦彦

「あなたはクロウトか、シロウトか?」

と聞かれたら、


「私はアバウトだ

(我れはこのくだりが大好きで、武田先生にも・日下公人先生にもすいません)

とお答えになる。さすが、日下公人さんだ。ものの本質をとらえ、しかも日本語と英語がミックスして見事だ。経済学者で超一流になると言われることが違う。

実は、自然科学にもおなじような手法がある。それは「入り口と出口を完全に一致させておかなければならない」ということだ。


世間的にも「入ってきたお金と出ていくお金はイコールでなければならない。借金も含めて」ということと同じで、実にわかりやすい。

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私はプラスチック・リサイクルでこの手法を使った。


1) プラスチックは年間1400万トンぐらい消費される。


2) リサイクル率は60%と公表されている。


3) プラスチックのリサイクル商品を調べると10万トンも行かない。


つまり、入り口は1400万トン、出口は1400トンの60%のリサイクル品だからおよそ840万トン(アバウトなら800万トン)あるはずだが、市場にはまったく見あたらない。


ところが、多くの人は「60%はリサイクルされている。NHKがそういっているから」ということになる。そして「ペットボトルは背広に使われている」と思う。


でも、市場にリサイクル製品がほとんど見あたらないことは事実なのだ。そうなると、1400万トンか60%のどちらかが間違っていなければならない。


ところが私のこの指摘に対して、「調査が不十分」とか、「関係のない数字をつなぎ合わせている」という批判が多かった。


批判は歓迎だから良いけれど、調査をするほど内容が不明確になるということは、とても多く、まず大きく構えて論理的に整合性があるかをいつも考えることは「自分の頭を動かす」というためにはとても大切なことだ。


また、質問が思い浮かばないと言う人も、この手法を身につけると疑問は多く出てくる。

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もうひとつが最近、ブログに書いた「成人病と死亡率」の関係だ。


1) 成人病が急激に増えている。


2) 成人病になると死亡率が増える。


3) 平均余命(50歳程度を基準)は急激に増えている。


という3つのことはやはり矛盾する。もちろん、詳細に詰めるとどこかに間違い、ウソ、トリック、錯覚などがあるのだが、とにかくつじつまは合わない。


まず、それからスタートする。そして細かい数字が判ったからと言って、この矛盾が解決するわけではない。どこかに誤りがあるのだ。


この場合は、「成人病の定義」、「死亡率の計算方法」などに問題があることは判ったが、それ以上は、今も調べている。内容が全部わかるまで10年ぐらいかかる。リサイクルも私が最初に出した本が2000年、おおよそ判ったのが2007年だった。


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アバウトに反撃してくる人に二つのタイプがある。一つは、その人自身はデータを持っていない場合、もう一つは利害関係がある場合である。


この社会は複雑だから、トコトン調べるのは時間がかかる。だから、まずは大きくとらえて疑問を持ち、それを徐々に解いていく・・・とても興味のあることだ。

(平成22年4月29日 武田邦彦







*「東日本大震災」80日 



この27日に政府も世論に屈した感じで子供の年間被爆限度を20mシーベルトから1mシーベルトに引き下げたのを機に武田邦彦先生の解説でその意味を再度、しっかり確認しておく。 「全文引用」


原発事故後の 1年1ミリの意味と生活

「1年1ミリシーベルト」について、どのぐらい神経質に守らなければならないかの感覚を説明しておきます.

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放射線による被曝は1年1ミリより低いところに、

1) 1年20マイクロ以下 ・・・ 福島原発やその付近の瓦礫を動かすことが出来る限界(平均ではなく、全ての瓦礫など)、

2) 1年50マイクロ以下 ・・・ 放射線がでる施設の境界の自主設置値、原発敷地がこの典型的なもの、

3) 1年100マイクロ(0.1ミリ)以下 ・・・ ヨーロッパが求めている限度

があり、その上に世界と日本の共通の基準、1年1ミリがあります。

個人のお医者さんなどには特殊な学説を持っておられる方もいるし、それが間違っているかどうかは不明ですが、学会やコンセンサスではかなり低いところに値があります。

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それでは、1年1ミリという基準は「どうしても越えてはいけない数値」なのでしょうか?

まず、「1年1ミリ」というのは、「一般公衆」が対象で、その中には成人の他に、小学生、幼児、妊婦、医療の関係で被曝が多い人、病気の人などを含んでいます。

このようなことを決める場合には、10万人が一つの単位で、その中の「おおよその人」の健康に注目しています.

また、一人の人を考えると、その中には外国旅行が多い人(東京―ニューヨーク往復で約100マイクロシーベルト)、ラジウム温泉が好きな人、何かの拍子に自然放射線あびる人などもいます.

つまり、対象者が広いことと、その人の状態がさまざまな場合がありますから、それを

0. 「総合して」、

1. 「これなら大丈夫だから、安心しよう」、

と決めたのが「1年1ミリ」です。

普段生活するときに、身の回りには、原発を始め、放射線の医療関係の機器、研究所の放射性物質、誰かがどこかから持ってきたもの(たとえば川崎市が持ち込む瓦礫など)・・・などさまざまに放射線を出すものがあります。

でも、そんなことをいちいち気にしていては楽しい生活が出来ません。「1年1ミリ以下なら、放射線に関してなにも考えなくてもよい」というレベルです.

つまり、現在の東京は、「地上1.5メートルで、普通のところ」では1年1ミリを切るようになりましたが、「吹きだまりで地表すれすれ」とか、「ホットスポット」などでは、まだわずかですがオーバーするところがあります。

しかし、「1年1ミリ」の思想は、普通の生活を想定していますので、あまり地表すれすれにいないこと、ホットスポットの人は少し外出を多くすることなどの注意をすることを前提として良いのです。

つまり、「1年1ミリ」には少し余裕があり、その余裕こそが「安心して生活できる」という目安になっているのです.

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次に、「1年5.2ミリ」というレベルがあります。

これは「管理区域で3ヶ月に1.3ミリ」というのを4倍にした数値です.

管理区域というのは「ここは放射線が多いから、気をつけて」というところで、別の言葉で言えば「すぐに危険ではないけれど、「放射線がある」ということに気を配ってください」ということです。

たとえば、病院のレントゲン室、研究室、それに入院をする病室などです。

えっ!病室?と思われるでしょうが、理屈にかなっています.

つまり、「放射線に注意しなければならない場所」というのは、

1. 注意する、

2. 健康状態をやや注意する、

ということです。

1年1ミリがまったく気にしなくても良いのに比べて、頭の隅に放射線のことを入れておくのです。

入院の病室は医師が毎日、検診に来ます。つまり「健康状態を常にチェックしている場所」ですから、それで良いとされています.

現在の福島、宮城、関東地方の多くの人が「放射線について注意している」という状態です.

だから、「1年5.2ミリ」という制限も考慮しておいても良いと思います。

たとえば、3月に被曝してしまった人ですでに1ミリを越えている方もおられます.その場合、今年の1年は健康に留意し、あまり放射線をあびないように工夫して生活するということです。

また、福島県のなかで1年1ミリを越えるところにお住みの方で、避難することも出来ない人は、「1年5.2ミリ」に基準をおいて、日頃の健康に注意しながら生活をすると言うのが現実的です.


もちろん、1年1ミリと1年5.2ミリと比較すると、危険性は5.2倍になるのですが、これまで長い間、「管理区域は5.2ミリ」ということで運用し、個別にはいろいろあったと思いますが、社会全体で認めてきたことですから、「最善ではないが、なんとか我慢できる」というレベルでしょう.


そして、放射線の被曝は「5年」で平均できるというのが普通ですから、「今年はダメだけれど、来年からは減らすぞ」とか、来年から何とか少なくする計画を今から練っておくのも良いと思います.

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5.2ミリを越えると、次は20ミリですが、こうなると、「成人男子、被曝量測定、健康診断、イヤなら止められる」という多くの制限が付きますので、かなり危険な領域に入ります。

人間が考えることですから、20ミリが絶対に危険ということではありませんが、今まででも「1年20ミリ」の規制の下で職業に就いていた人の平均被曝量は「1年0.7ミリ」だったことを考えると、現実に1年20ミリを被曝する人が増えると、私たちは「未知の世界に踏み込む」ということになるのです。


【結論】

1. 普通(公的発表の空間線量、水道局の汚染発表など)で計算して1年1ミリなら、部分的に高い場所などに時々、接しても大丈夫、

2. 1年1ミリの生活をしていたら、間違ってお子さんに1日か2日、高い放射性物質がついている野菜を食べさせても、雨に濡れることがあっても、大丈夫、

3. つまり、「1年1ミリの中には人間の失敗も含んで、安全な数値になっている」ということ、

4. 1年1ミリを守れない人は、1年5.2ミリに切り替えて、今年1年は1年5.2ミリで行く、

5. その代わり、「放射線を忘れる」ことは止めて、放射線を意識し、かつできるだけ5年間で減らす努力をする、

ということになると思います. (平成23年5月6日 午後6時 武田邦彦執筆)