7 「keniti3545」since74 小さな窓:2014.9月23日曇り6時8℃ 「東日本大震災」「311フクシマ」1373日 今日の一題「川内原発・もう再稼働を待つだけなのか?!」

*「東日本大震災」「311フクシマ」1373日


放射線量(測定9月22日月曜日 23日up)

データ 「グループ1」

先ず前週(9月16日)の測定値を示す:我が家屋敷内と周辺 5点 (此処には毎回高位値2つを提示している)

東:0.14 0.12μSv/h 西:0.21 0.19μSv/h 南:0.43 0.39μsv/h 北:0.27 0.16μsv/h

M :0.62 0.59μsv/h


全体のMaxは0.62μsv/h


   5点の総平均値=0.24μSv/h

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(9月22日) 本日の測定値       

東:0.18 0.14μSv/h 西:0.19 0.16μSv/h 南:0.41 0.40μsv/h 北:0.19 0.16μsv/h

M :0.65 0.59μsv/h


全体のMaxは0.65μsv/h

   5点の総平均値=0.24μSv/h


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 データ 「グループ2」 <児童公園の測定 「5点」:各定点の平均値>  


 各定点 6回測定の平均 単位はμsv/h (9月/22日 火曜日)  


東辺:公園内、外周東辺 楓根元 0.21   

南辺:公園内、外周西辺 楓根元 0.84 (今回のmaxは0.94μSv/h)

「西辺」:公園内、外周西辺 樹木根元 0.32

北辺:公園内、外周北辺 樹木根元 0.14

E :児童公園(グランド中央部) 0.10


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データ 「グループ 2」


9月16日 前週の測定値 (此処には毎回高位値2つを提示している)  

東:0.28 0.19μSv/h 西:0.37 0.32μSv/h 南:0.94 0.92μsv/h 北:0.23 0.16μsv/h

中央:0.19 0.12μsv/h


全体のMaxは0.94μSv/h


  5点の総平均値=0.31μSv/h


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9月22日 本日の測定値 (ブログupは23日)

東:0.28 0.28μSv/h 西:0.41 0.36μSv/h 南:0.94 0.94μsv/h 北:0.18 0.16μsv/h

中央:0.12 0.10μsv/h


全体のMaxは0.94μSv/h


  5点の総平均値=0.32μSv/h



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*今日の一題 川内原発・もう再稼働を待つだけなのか?!」


川内原発 安全の合格証ではない

東京新聞社2014年9月12日


 原子力規制委員会は、九州電力川内原発が3・11後の新規制基準にかなうと判断した。その根拠は安心とはほど遠い。これだけで再稼働の免罪符になるのなら、安全神話の復活というしかない


 繰り返したい。合格証とも呼ばれてはいるが原子力規制委員会がまとめた審査書は、安全の“お墨付き”ではない


 田中俊一委員長が「基準への適合性を審査した。安全だということを私は申し上げません」と明言してきた通りである


 福島第一原発事故を踏まえ、昨年七月に施行された新たな規制基準を、技術的、科学的に見て、今その原発が満たしているかどうかを判定しただけだ。規制委の想定を上回る災害が、再び大事故を引き起こす不安はぬぐえない。


 規制委は「ほぼ世界最高レベル」と、川内原発の対策強化を評価する。本当にそうなのか


 審査書案が公表された段階で専門家や周辺自治体などから、「甘さ」が指摘されてきた


 例えば、火山対策だ川内原発は、火山の集中地帯にあり「最も火山の危険が高い原発」と言われている。規制委は「観測によって噴火の予知は可能」と、九電の主張を丸のみにした。一方、「現在の火山学では極めて困難」と火山学者は否定する。


 技術や科学の物差しだけでは、判断できない要素もある米国とは違い、規制委は住民の避難対策を考えに入れていない


 福島事故後の新たな原子力災害対策指針に基づいて、川内原発から三十キロ圏内の自治体は、住民の避難計画を作成した


 鹿児島県の試算では、全住民が圏外に出るまでに三十時間近くかかる恐れもあるという病院や福祉施設の要介護者をどうやって安全に導くか。自治体は頭を抱えたままだ。


 審査書案の公表後、規制委は全国から意見(パブリックコメント)を募り、約一万八千件が寄せられた。「地震や火山への対策をもっと厳しくすべきだ」という声が目立った


 外部の専門家からの指摘や国民の声は軽視されているようにしか、受け取れない


 形式的に基準を満たせば済むという、規制当局と電力会社の甘い姿勢が福島の事故につながったそれを一掃するために、規制委ができたのではなかったか


 このままでは規制機関への不信が再び募る。不信と不安を残したままの合格証には価値がない


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THE HUFFINGTON POSTO

鎌田慧 ルポライター 投稿日: 2014年09月11日 18時44分 JST 更新: 2014年09月11日 18時44分)

http://ajw.asahi.com/

「命よりも経済」〜九電川内原発 再稼働へ

日本の歴代首相が4人もそろって、「原発ゼロ、再稼働反対」と叫んでいる。それでも現職の安倍晋三首相はさっぱり聴く耳をもたない

4人というのは細川護熙小泉純一郎鳩山由紀夫菅直人の元首相たちである。歯切れの悪かった野田佳彦氏でさえ、首相退任間際である2012年9月には、「2030年代原発ゼロ」を唱えるようになった。

さらに、社会党党首として1994年〜95年に首相を経験した村山富市氏も、いまは原発ゼロ派である。だから、自民党から民主党社会党まで、合計6人の元首相が党派を問わず、「脱原発」を主張している。世界にも例がない事態である

それほど2011年3月の福島原発事故の衝撃と影響が巨大だった不安はまだ根強い。しかし、安倍首相は、「原発はベースロード電源」と性懲りもなく原発推進を固持している。 「事故を経験した日本の原発は世界一安全だ」。トルコやアラブ首長国連邦へのセールトークである

福島第一原発の問題については、「状況はコントロールされている」。それが、2013年9月にIOC総会でオリンピックを東京に誘致した安倍首相のアピールだった

ところが実際は、メルトダウンした核燃料がどこまで落ちていったのかわからない地下水が発生して、高濃度の放射性汚染水が、一日400トンもタンクにたまっている。タンクからの漏水が激しく、周辺の漁民に補償金を払って、汚染水の海洋投棄を認めさせようとしているほどだ

市民の反対運動が強いため、昨年9月から1年近くも日本では50基すべての原発が止まっている。それでも電力不足に陥ってはいない。しかし安倍内閣はなんとか、全原発停止の状況を破ろうとしている。電力会社と日本経団連の要求を受けてのことである

逃げる道は一本だけ

再稼働の突破口に選ばれたのが、鹿児島県の川内原発である九州の南端、東シナ海にむかって注ぐ、川内川河口のデルタ地帯に2基の原発が建っている

この辺りは、かつて、なんども海底大噴火があった地域で「巨大噴火は遠い未来の非現実的な絵空事ではなく、すぐにでも起きる可能性は十分」(守屋以智雄・金沢大学名誉教授)と火山学者が警告を発している

いつも噴煙を吐いている活火山・桜島にも近く、もともと原発などつくれる地理的条件には、なかった地域なのだ。それでも、原子力規制委員会は7月16日、川内原発1、2号機が「運転再開」の規制基準に合格した、と発表した

安倍内閣は、それを「安全宣言」とした菅義偉官房長官は「これでほかの原発の再稼働もうまくいく」とまで言ってのけた

福島第一原発事故の影響で全機が停止中の国内の原発の一つが、再び動き出すことが確実になった???!!!

私は、薩摩川内市の担当課長に会って、原発事故時の避難計画について聴いた「自家用車で逃げて下さい」「クルマのないひとは?」「バスが迎えに行きますから、それを待って下さい」

原発から逃げる道は一本しかない全国どこでも、原発は交通不便な過疎地帯にあるのだ「国に避難のシミュレーションをつくってもらうしかありません」と担当課長がいう

国の原子力規制委員会は、避難計画についての審査はしない県知事は、病人や老人などの「要援護者」の救済は「原発から5キロまで」という「それ以上はできない」

5キロ圏内の住民には、甲状腺被曝(ひばく)を防ぐ「ヨウ素剤」を一斉配布したしかし、3歳未満の子どもには、薬剤師が調合しなくてはならない

川内原発の近くにいってみると、ユンボがクビを振り上げ、事故のときに指揮を執る「重要免震棟」の地盤を造成中だった完成は来年秋

事故が発生すると、原子炉格納容器の内圧が上がる水蒸気爆発を逃がすフイルターつき「ベント」工事の見通しもない

それでも、原子力規制委員会は、機器の適合検査は「適合」と判断した

安倍首相は7月18日夜、福岡市内で九州電力会長ら九州の財界人と会食した。川内原発の早期再稼働を要請された首相は、「川内はなんとかしますよ」と応じたと伝えられている

「いのちよりも経済」「科学的判断よりも政治的判断」、これが、原発に関する日本国政府の隠すことのない方針である

AJWフォーラム英語版論文

(2014年9月3日AJWフォーラムより転載)

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◎.↓こういう議論をさせてくださいよ、多くの人の目にとまる報道をして下さいよ!

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野尻 一郎 · 九州大学

「30km圏内の避難計画を自治体が作成しなければならない…」
とんでもない話だろう。自治体が作成するということじゃなく、事故が起きたとき30km圏内の人たちが避難しなければならない、ということが。平然と避難計画云々を論じる政府、マスコミの感覚は完全にずれている。
返信 · · 7 · 9月11日 14:37

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Ta Iwa · トップコメント投稿者

> 「いのちよりも経済」...これが、原発に関する日本国政府の隠すことのない方針
その通りだと思います。
また、人口の多い都市部では、自分や親族の命や健康に対するリスクが大きくない方も多いことから、未来ではなく、現時点での経済合理性を優先させる声が少なくないように感じます。(風向き次第では都市である鹿児島市も健康リスク高まりますが)

そのような状況で、過酷事故時に真っ先に生命や健康を脅かされる立地自治体や周辺自治体の住民が、「根拠が薄弱な『安全』に対する何となくの妥協」や「自分たちの『安全』を国任せにする、他人任せの心情」が何をもたらすのかを福島第一原子力発電所の事故から学び取ることもなく、政府と同様に「(自分や家族の)いのちよりも経済」を選択するのであれば、再稼働を望む方の方が多い国であるなら、再稼働することが妥当であると考えざるをえません。

来年の統一地方選挙で、それぞれの原発立地自治体や周辺自治体、周辺自治体の枠組みには入らないが実際に被害を受ける可能性の高い自治体で、それぞれの地域住民が答えを出していくしかないのではないかと思います。

(返信 · · 5 · 9月11日 4:40)

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Ta Iwa · トップコメント投稿者

星野 泰弘 さんへ

コメントありがとうございました。

> 原発は経済的にも割に合わない

いろいろな意味で賛成ですが、現実的には「貿易赤字の主な原因は化石燃料の需要増と価格高騰」というニュースが繰り返されるほど、世論が目の前の損失にしか目が行かなくなっている状況があるように思います。

Youtubeに以下の名前でアップされているラジオ番組があります。

20140905 報道するラジオ「再稼働第一号 川内(せんだい)原発 地元を取材」

「報道するラジオ」という番組自体が、ずっと再稼働に懸念を示す側の視点で番組を構成しているのですが、そのような番組の中でも、地元で再稼働を認める住民の声が少なくないことが分かると思います。
補助金に目が眩むというか、依存してしまっているのは、(一部を除く)自治体の政治家も住民も同じではないでしょうか。


(返信 · · 9月12日 20:45)

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菊 洋平 · トップコメント投稿者

命よりも経済というフレーズは言い得て妙ですね50基もの原発が停止しているにも関わらず、特に影響は出ていない現状をどう受け止めているのでしょうか。このタイミングで再稼働させるメリットがよくわかりません

(返信 · · 4 · 9月11日 18:40)


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西田好孝

 事故から学ぶことの最も重要な一つとして、作業員が例え撤退せずに決死の
思いで収束に立ち向かったとして、事実そうだったのですがしかし、襲い
掛かる高線量によって次々に作業員の方々が倒れてしまったら福島第一の
6基の原発の運命はどうなっていたかです

 この想定は政府最悪シナリオとして当時の原子力保安院の近藤俊介委員長から
官邸に伝えられ報告されています
それによると首都東京を含む関東一円の
3000万人の避難であったという想像すら不可能な地球規模の被害であったこと。
これは現場を取り仕切る吉田所長の「ここだけは思い出したくない・・ああ・・

  チャイナシンドローム・・ああいう状況になってしまう・・」の証言が首の皮
一枚で繋がっていたことを示すものです

現実に存在したこの過酷な現場を想像するだけでも人間なら誰でも「いのち
より経済」などとは断じて言えないはずです

(返信 · · 2 · 9月11日 21:50)


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Hiroshi Takao · 神奈川県 横浜市

この原発も含めてコアキャッチャーがありません。今から作る事はこの巨大施設を超人ハルクかスーパーマンが持ち上げてくれるかしてもらって、その間に急いでコンクリートを流し込んで作るぐらいしか方法がありません。周囲30キロ以内に住む人たちは申し訳ないけれども福島やチェルノブイリスリーマイル島で起ったことが発生するか、有珠山であったような事象が起った場合逃げ場もなければ逃げ道もない、福島やウクライナで起った故郷を捨てなければならない、といった現実とともに生きていただくしかないのだと思うやけくそになって日本中の原発54基をぜーんぶ再稼働して自滅への一歩を踏み出そうではありませんか。海に飛び込むレミングの群れの如く

(返信 · · 2 · 9月12日 0:31)


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大竹 葉子 · トップコメント投稿者

元4名以上の日本国首相が束になっても安倍氏の暴走を止められず、世界に向けて大嘘をつかせた(Fukushima is under control) その陰の邪悪な大きな力は何なんでしょう。彼、安倍氏はマインドコントロールされているのか、ロボットなのかこれを止められるのは日本国民だけ?原発は今すべてとまっている広島、長崎に原爆を落とすことを決定した非人間的なエリート集団の今も続く力ではないか。日本人はこの地上からいなくなってもいいと思っている人々のようです

(返信 · · 2 · 9月12日 20:10)


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福田 浩治 · 大阪大学大学院工学研究科

1979年3月28日:スリーマイル島

1986年4月26日;チェルノブイリ

2011年3月11日:福島第一

長く見ても25年に一度どこかの原発が重大事故を起こすというのは事実
起こってしまうと取り返しがつかない、深刻な被害を引き起こすことも事実

確かに、その原因に類似性はありませんので、次が起こるかどうかわからないと仰る方もおられるでしょう。
しかし、それだけに毎回、想定外の何らかの原因で事故が起こっているのだと思います

それに対して、どれだけ一生懸命想定をして対処をしても、人間には限界がありますし、全ての事象の完全な想定など無理なのは明らかです。
そう言う、リスクがあることを受け入れた上で、原発再稼働を推進していると私には思えません

起こってしまってから、また想定外だったで済まそうというのでしょうか?

自分たちの後の世代にの事を考えているのでしょうか?

(返信 · · 1 · 9月12日 1:43)


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落合 勝雄 · 勤務先: 自営業(個人事業主)

自民党タカ派の人たちは核兵器の開発も念頭に原発を推進しています。安部首相の論で行くと平和を守るために日本も核武装すべき、という言葉が出てくるような気がします

(返信 · · 1 · 9月12日 1:51)


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古田 真 · トップコメント投稿者

九電の所長からトップまで、東電と同じ事故が起きたときの覚悟をひとりひとり公開で質問するコトを進める

彼らが自信を持って対応出来ると言うなら面白いなあ

原発はベースロード電源」「事故を経験した日本の原発は世界一安全だ」、「状況はコントロールされている」、メルトダウンした核燃料がどこまで落ちていったのかわからない。地下水が発生して、高濃度の放射性汚染水が、一日400トンもタンクにたまっている。タンクからの漏水が激しく、周辺の漁民に補償金を払って、汚染水の海洋投棄を認めさせようとしている。⇒今、貯めているの?

逃げる道は一本だけ

再稼働の突破口に選ばれたのが、川内川河口のデルタ地帯に2基の原発が建っている。

海底大噴火があった地域で、「巨大噴火は遠い未来の非現実的な絵空事ではなく、すぐにでも起きる可能性は十分」と火山学者が警告を発している。⇒ここは特に聞きたい。逃げるなって言って欲しくないなあ

いつも噴煙を吐いている活火山・桜島にも近く、原子力規制委員会は7月16日、川内原発1、2号機が「運転再開」の規制基準に合格した

薩摩川内市の担当課長「自家用車で逃げて下さい」「クルマのないひとは?」「バスが迎えに行きますから、それを待って下さい」...
(返信 · · 9月13日 6:14)


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山田 一太郎 · トップコメント投稿者

原発稼動を否定しなかった自民党が圧倒的支持で政権に復帰したということは「原発再稼動」を国民は黙認しているからです。個人的には、老朽化した原発は早期に廃炉にすると同時に、最新鋭の原発を建設しつつ、総数では3.11前の原発を1/3以下に減らすことが良いと思っている。海洋資源(メタンハイトレード)、化石燃料自然エネルギー原子力のベストミックスを目指すのが、日本の国益に資する政策である偏った政治信条を有する少数派の方々は、常に自分たちの主張は正しくて、異なる意見は間違っていると決めつける。そうした傲慢な態度をあらため自らと主張と異なる主張や意見に謙虚に耳を傾けるべきであろう

(返信 · · 9月15日 21:37)



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これも同類「言わずもがなの記事」ではあるが、我々国民は総じてこれら記事の内容如きを本気で心配しているのだろうか? 心配しても、もう遅いのだろうか? そう思いこまされてしまったからもう心配しても仕方無しと諦めてしまおうとしているのか? 外国人よりもはるかに高い比率で未だ「対岸の火事」等と思ってる「人」達まで存在するのか? (keniti3545)

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川内原発、「安全神話」に懲りないのか

原子力規制委の「審査合格」は穴だらけ

(中村 稔 :東洋経済 編集局記者)


◇火山審査は「科学的とはいえない」

まず、川内原発固有の問題である火山影響評価の妥当性だ。

規制委は、桜島を含む姶良(あいら)カルデラなどの周辺火山の巨大噴火によって、川内原発の運用期間中(核燃料が存在する期間)に安全性に影響を及ぼす可能性について「十分に小さい」と評価した。ーーー 後略

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◇有事の際、燃料をどこへ搬出するのか

噴火の兆候が観測された場合には、九電は原子炉の運転停止や燃料の搬出など必要な対処を行うというが、具体的な対処方針についてはまだ示されておらず、今後、九電が策定して認可を申請する保安規定の中で示されることになっている。ーーー 後略

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◇実効性の保証なき住民避難計画

現状、川内原発周辺自治体による避難計画の実効性に関しては、数多くの問題点が指摘されている。原発から10キロメートル圏外にいる要援護者の避難計画の策定が先送りされているほか、避難する住民や車両のスクリーニング(放射線汚染検査)の場所も決まっていない。また、大半の自治体の避難計画は、風向きに応じて避難先を変えるものにはなっていない。有事における道路の渋滞状況の想定が実効性を欠くとの指摘や、より詳細な避難時間のシミュレーションが必要との意見も多い。ーーー 後略

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◇改めて問われる「世界で最も厳しい規制」

田中委員長は、13年7月の新規制基準施行によって、日本の原子力規制は「世界で最も厳しいレベル」になったと自負している。国民に向けて、そう言い続けることは本当に妥当なのだろうか。

植田和弘京都大学大学院教授(環境経済学)は、世界ではすでに導入されつつあるコアキャッチャー(原子炉圧力容器外に流出した溶融炉心を格納容器内に貯留する設備)や、二重の格納容器などが必ずしも審査の要件になっておらず、「世界で最も厳しい基準というのは、かなり怪しい」と見る。

また、新規制基準から立地審査指針(原子炉施設の立地条件)が省かれたことや、実効性のある避難計画が審査要件になっていないことなどから、「規制委審査は住民の安全性を踏まえていない」と批判する。

「世界で最も厳しい」「世界最高」という表現は、原発の安全性に対して国民に高い信頼感を与えるものだ。だが、もしそれが実態にそぐわない表現であるとすれば、逆に国民を欺き、新たな安全神話をつくることにもつながりかねない。その表現が持つ意味の重さが改めて問われている。 (完)


↓全文
http://toyokeizai.net/articles/-/48463


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