「72才の日記ー18」 5月3日(木)雨12℃「東日本大震災」420日

*朝トレ:どしゃ降りの雨です。 中止! 「貯筋は目減りも体重変わらず」




*「東日本大震災」420日


今日の一題  対極に「二つの記事を読み比べる」

(日付違い:「朝日新聞に対極の二題」)

Shuueiのメモさんに教えてもらいました



[1]
チェルノブイリ、まだ被害渦中」 日本ペンクラブが視察

2012年5月1日 朝日新聞

 日本ペンクラブの理事ら8人は4月中旬、チェルノブイリ原発事故の影響を旧ソ連ウクライナなど現地で視察した。「福島と子どもたちの未来を考えるため」という。25日に会見した浅田次郎会長は「処理作業にはキリがない。絶望的だ。大人は未来に責任をもたないといけない」と話し、原発反対を改めて表明した。


 ペンクラブは昨秋「脱原発を考える集い」を開き、今春は福島を訪れ、大飯原発再稼働に反対する声明も出している。森絵都理事は「原発事故から26年たったチェルノブイリに教えを請う気持ちで行ったが、まだ被害の渦中だということがわかった」と話す。


 原発から30キロ圏内には検問所を通って入る。視察当時は、毎時5〜6マイクロシーベルトだった。原発放射性物質を封じ込めるシェルターは、コンクリートに亀裂が入っていたという。新たなシェルター造りや廃炉の管理のため、今も常時3千人が作業をしている。


 報道によると新たなシェルター造りの建設費は約1620億円。欧州各国による基金に頼り、地元の雇用が創出されてもいるという皮肉な状況だ。中村敦夫理事は「原発は経済のためと言う人がいるが、逆の意味の冗談ではないか」。


 原発から約17キロにある公園内の記念碑には、今も人が住めない100を超える廃村の名前が刻まれている。中村理事は「広大な森の除染は不可能だと証明されている。日本は森と山の国だ」と心配を隠さない。


 約60キロ離れたナロジチの病院では、がん治療のため放射性ヨードを飲む患者が壁に鉛を入れた隔離病棟にいた。事故当時8歳で、今年になって甲状腺がんを発症した男性もいた。 中村理事は「内部被爆の問題が大きいのではないか。日本と違い、汚染された森のキノコなどを食べざるを得ない食糧事情もあるようだ」と話す。ウクライナの首都キエフの内分泌研究所によると、胎内被曝(ひばく)した子どもの7歳検診では、健康児は2.5%しかいなかったという。


 元社会主義ソ連では医療費が無料だったので保険制度がなく、今は個人が手術も含め全額負担しなければならない。障害者認定されても、事故との因果関係は認められないという、日本のかつての公害病の図式とよく似た状況。政府はわかっていても出す余裕がないのだろう。


 現地の医療器具などは古く粗末なモノだった。ウクライナの医師らは「日本の医療技術なら大丈夫だろう」と語っていたという。浅田会長は 「医療や技術は素晴らしくてもそれを操作できるソフトが日本にあるか。政治主導でできるのか。科学技術でも医療でも、日本の権威が地に落ちるかもしれない。大変な正念場だ」と話した。 (吉村千彰)


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◎.「真のジャーナリズムを」との意気込みを感じるところもあるが、悲しいかな「やらせの一面も」かいま見る。しかし、我としては精一杯真摯な態度で読み比べた。  「keniti3545」


チェルノブイリ、まだ被害渦中」 日本ペンクラブ理事8人

現地視察からの情報、確認出来る事実情報を捉えた上での記事と評価して良いと思う。しかし、中村敦夫理事の 「原発は経済のためと言う人がいるが、逆の意味の冗談ではないか」 と言うような発言は頂けないし、 浅田会長の「医療や技術は素晴らしくてもそれを操作できる「ソフト」が日本にあるか。政治主導でできるのか。 「科学技術でも医療でも、日本の権威が地に落ちるかもしれない」 大変な正念場だ」。との談話でも、「ソフト」とは広い意味での言葉として用いたのかも知れないがせめて「心」としてもらいたかったし、 「科学や医療の失墜を案ずる」のではなく「人間の命がどれだけ救えるか」の問題なのではないかと思う。



「女性と放射線 心配しすぎる必要はない」 高橋真理子朝日新聞編集委員 
情報リテラシーからの判断で、これだけ物事を断じきっても良いものだろうか? 起きてしまった事象に後ずさりして物事を伝えては真実を捕まえられない恐れもあるだろう。もし伝えようとする事が真実であるならば読む側にはどれだけ勇気を得る事か計り知れない「功」がある。 しかし一方で不確かな情報を信じて逆の効果、即ち「罪」を生むかもしれぬリスクは背負いきれるのか。計りに乗せる事の出来ないぐらいの重さがあるはずだ。 「広島」「長崎」の被爆者達の診療記録などには現存しないものが多いとも聞く。チェルノブイリに関しても被爆者の数が多すぎて軽度の人、二次被爆的な患者の実態は把握されぬものも多いと聞く。

この実情も有りながら、「後遺症や時間経過の長い場合の発症はごく少数という」言葉等は、大きな危険性を孕んではいないのか。 高橋編集委員が、「女性の立場で、若い女性」:「特に子供のいるお母さん」、「妊婦」の方に「過去の論文や学術報告を見ると、福島原発事故で遺伝的影響を心配するのは無用と思える」。と、言い切ってもらえればどんなに力強い事か察しるのに余りあるところではあります。 

しかし、これは「心情だけ、言葉だけ」では結果を得る事は出来ないのです。 高橋さんには 、政府にこの女性達へのバックアップ体制の強化を訴えてもらいたいところです。 見て聞いてその場の事実をニュース(記事)として伝えるのなら断じても良いでしょうが、今回の「リテラシー」は「書く」側「読む」側、「共通レベル」のしかも「重要な内容」です。迷っている読者へ向けての発信であれば尚更責任は重いはず。 一種の「プロパガンダ」と取られても仕方のないところですね。 「keniti3545」


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[2]
〈記者有論〉  「女性と放射線 心配しすぎる必要はない」

高橋真理子編集委員2012年4月17日 朝日新聞


 将来、結婚できないのではないか。そんな不安が消えないと福島の若い女性が言うのを聞くと、いても立ってもいられない気分になる。

 放射線と聞けば、多くの人が遺伝的影響を心配する。低線量の影響は「よくわかっていない」と繰り返し語られ、「だから心配」と感じるのもよくわかる。だが、過去の論文や学術報告を見ると、福島原発事故で遺伝的影響を心配するのは無用と思える。

 広島・長崎の調査では、妊娠初期に200ミリシーベルト以上浴びると子どもに悪影響が出た。それ以下なら出なかったし、ましてや被曝(ひばく)時に妊娠していなかった女性が出産しても、通常の出産と何ら違いはなかった。


 それだけではない。小児がんにかかり、放射線治療を受けて良くなった子どもが長じて出産する例が世界中で増えている。データをしっかり登録しているデンマークでは、元患者と、がんを患わなかったその兄弟姉妹から生まれた子の染色体異常を調べ、治療で相当の放射線を浴びても次世代の染色体異常を増やすことはないと確かめている。


 原爆を投下された私たち日本人は、放射線の遺伝的影響に対する心配を共有してきた。放射線をハエに当てたら突然変異が起きると戦前から知られていたからだ。


 戦後になり、数百万匹のネズミに放射線を当てて影響を調べる実験が米国で展開された。子に突然変異が現れる頻度と放射線量の関係を探る過程で、放射線を少しずつ当てた場合や当てて時間をおいた場合には突然変異が起こりにくくなることがわかった。


 国際放射線防護委員会(ICRP)2007年報告は遺伝的影響を1000ミリシーベルト当たり0.2%としている。「ネズミの実験をもとに出した数値」(ICRP国内委員の大分県立看護科学大学の甲斐倫明教授)だ。


 ICRPに対する批判もあるが、膨大な実験結果をもとに国際的な議論を経て出した数値には重みがある。福島県による1万人調査では、住民の外部被曝はほとんどが20ミリシーベルト以下、圧倒的多数は2ミリシーベルト未満だ。内部被曝はさらに小さい


 遺伝の仕組みは、20世紀後半に理解が急速に進んだ。人は誰もがDNAにたくさんの変異を持って生まれてくる。それが21世紀の私たちの常識のはずだ。女性たちが人生の選択を自ら狭めないよう、また周囲にも偏見が生まれないようにと強く願う。


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◎.高橋さんに問う: 戦時、終戦後の失われたデータ残す事も出来なかった診療事情、追跡調査の不備は衆目の認めるところ。加えて既に26年経ったチェルノブイリの追跡調査にも高橋編集員の把握しきれない事実は数多くある。低線量被爆の害は「心配無用」と断じるのは早計に過ぎると思います。当該者には一層の注意を促し、政府には手厚いバックアップ体制を要求する立場に立ってもらいたいところですが? (keniti3545)

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